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意外に俺も優秀だった
しおりを挟むそうしてあっという間に時間が過ぎ、シガンたんの入学が目前まで迫っていた。
「そう言えばベルは学園って行かなくてもいいの?」
とある日の昼下がり、公爵家夫人とシガンたんがティータイムを楽しんでいた時の事。
シガンたんに仕えて数年、素朴な疑問を投げかけられた。が、今まで俺に興味がなかったと思わざるを得ない内容だったためごっそりHPを削られたが知らないふりをして答えようとすると。
「あら~シガンったら何を言っているのかしら。ベルデは優秀で6歳から18歳まで通う学園を飛び級しているのよ。そうでもしないとずっとシガンの護衛なんて出来る訳ないじゃない。」
「えっ…えええぇぇぇぇぇぇぇ!!」
「本当に知らなかったのねェ。ふふふ、シガンは優秀な専属護衛をつけて貰って幸せねぇ。」
「優秀…優秀すぎるよ!」
「そんな私は嫌いでしょうか…」
「あらあら、ベルデを困らせ無いようにね。」
「うっ、ベルのこと嫌いになんてならないもん。」
「それは良かったです。」
シガンたんの傍を離れたくないがために頑張って飛び級したは良いが、嫌われたらと思うと血の気が引いたけど…嫌われなくて良かった。
「じゃあ、ベルデにお勉強を教えて貰えるわね。これでシガンの将来も安心ね。」
家庭教師がいるのだからわざわざ俺じゃなくてもいいのに。しかもシガンたんはそんなことしなくても頭がいいはず。そのお陰で皇子の婚約者候補に選ばれるのだから。
この国は同性同士の結婚が認められているため、と言うか俺がその設定にしたのだが…
現在全ての公爵家の中で令嬢は一人、しかし性格と頭に難ありのためシガンたんは皇子の婚約者として最有力候補なのである。
「お母さま、まだまだ先の話ですよ。」
まだ先の話ではあるが、サムソン家は子供がシガンたんしかいないことから跡継ぎはそのままいけばシガンたんになる。
この小さな身体にあらゆる所からの圧力が掛かっているのだ。それをもろともしないシガンたん素敵。
「(ベルが優秀なら俺はもっと上をいかないと。ベルを迎え入れるためには公爵家当主にならないと。)」
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