【完結】総受け主人公のはずの推しに外堀を埋められた!?

抹茶らて

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だからお茶会は嫌だった⑴

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高位貴族を筆頭に俺と同年代の子どもがいる貴族のみが集められたお茶会。

自分の子どもに友達を作っておきたいという親の腹黒い魂胆が前面に出ているこの催しに、初めからやる気なんて起きるわけもなく…

「(あぁ、早く家に帰ってベルとお話ししたい。)」

どうせ同年代と話しても話が合わないし、楽しくもない。それに、親の権力を盾に驕っている者などと仲良くしようとも思わない。

「シガン、ちょっとこっちへ。」

「はい。」

社交界の場でお父さまに呼ばれることが珍しくて、何かあったのかと思って急ぐ。

「どうしたのですか?」

「今回のお茶会は皇家も来ているんだ。シガン挨拶一緒にしようか。もう一緒にあいさつ回りをしても大丈夫だと思っていたが、社交界デビューはまだだからな…まぁ、皇家に顔を覚えて貰っていて悪いことは無いだろう。」

なるほど、皇家に俺を見せておくと後々何かあったときに役立つと…

「分かりました。よろしくお願いします。」

確かに役に立つときがあるかもしれない。ベル以外となんて話したくもないけど仕方ない。将来の自分に、誰にも何も言われない権力をつけるための第一歩だと思おう。

「お久しぶりです、殿下。本日はお一人での参加なのでしょうか。」

「そうだな、公爵閣下は子息との参加か。」

「はい、うちの息子に挨拶をさせて頂いてもよろしいでしょうか?」

「もちろんだ。閣下の子息ならそれなにの教養もあるだろう。」

「シガン、前へ。」

「はい、お初にお目に掛かります。サムソン家が嫡男、サムソン=シガンと申します。以後お見知りおきを。」

「あぁ、ラージリア=オーフェンだ。よろしく。」

お父さまが話しかけた同年代の少年は、少年とは思えないほどに顔が整っており驚く。天使の輪が見えるつやつやな金髪に碧眼のいかにも皇家って感じの見た目。加えて、5歳だぞ?5歳でこんなに偉そうに反り返っている奴、普通いないだろ。






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