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一生慣れない‶ぃぃ⑷
しおりを挟む「ディ、こっち。」
「え、リアン?どうし」
「ディ。」
ステージのようなところの階段を上まで登ってしまい、会場中の視線が僕たちに集まる。
僕と向き合い片膝をついたリアンは、ポケットから小さな箱を取り出し、開けながら僕を見上げる。
「ディディエ=エレクサリア様、いや、ディ。初めて会った時からその瞳に私が映る愛してる。どうしようもなく君が好きなんだ。私と一緒に生きてほしい。結婚しよう。」
「っ!」
思わぬ展開に言葉を失う。
前世から今までのことが走馬灯のように蘇ってくる。
僕を、愛してくれる人なんていないと思っていた。僕は誰かを愛することなんてできないと思っていた。
ボロボロボロ
色んな感情が相まって涙が止まらない。
「リアン、僕リアンが好き。僕に好きって教えてくれてありがとう。愛することの幸せを教えてくれてありがとう。こんな僕でいいのなら、僕もリアンと一緒にいたい。」
「こんななんて言わないで。ディのすべてが愛おしいんだよ。」
涙で前があまり見えない僕に、リアンは指輪を通して抱きしめてくれる。
「なんでそんなに泣いているんだい?」
「だって、だって夢みたいで。」
「夢なんかで終わらせないさ。そろそろ私に愛されることに慣れてほしいものだね。」
なんて言うリアンは楽しそうで、
「一生慣れない‶ぃぃーーー」
泣きべそかいたまま、応える僕。
そんな僕たちの仲睦まじい姿は貴族たちだけでなく、平民たちにも広まり、帝国全体が祝福ムードに包まれた。
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