【完結】引きこもり陰キャの僕が美形に転生したら

口が勝手に⑴

このパーティーでいきなり仕事ができるものなのかな。疑問に思うことはいっぱいあるけど、いつものことだと思ってそっとしておこう。

手持無沙汰になった僕は外の空気を吸おうとテラスに出る。

そこには先客がいたようで…

「ディ、ごめん。」

「り、リアン？どうして」

「今日のこと、ディは望んでいたことではなかったのかもしれないと思って…」

「それは…」

そう、だけど…僕が令嬢に対して何もできないことを知っているから、僕を想ってしてくれたことだと思ったから言葉に詰まる。

「それに守ると言っておきながら、何一つ守れなかった。」

「それは僕が一人でつっぱしったからで、リアンが悪いことはありません。」

「私は、私には力があると思っていた。でも、ディに何かあるたびに、自分の無力さを感じる。私一人では何もできないのだと。」

「………」

「それでも、ディを守りたい。次こそは、ディを守り抜くって約束する。」

「リアン、そこまで言っていただかなくても…それに僕はエレクサリア公爵家ですから、リアンの家臣になり、リアンを守る立場になる人間です。」