【完結】引きこもり陰キャの僕が美形に転生したら

抹茶らて

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緊張の糸が解けた後は

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「あと、ディは…少し休もうか。」

そういって僕の頭をポンポンして、そのまま休憩室に連れて行ってくれる。

「ユーリお兄さま、僕は大丈夫です。だから早く会場に」

休憩室について早々、生徒会役員であるお兄さまも会場に戻らないと思って口早に告げようとすると

「ディ、家族の前まで気丈に振舞おうとしなくていい。」

「え」

ギュゥッ

痛いくらいに抱きしめられて、肩の力が抜けた気がした。怖いくらいに自分が冷静でいられていたと思っていたけど、ただ緊張していただけなのかもしれない。

「ディ…あんなことがあった時くらい、自分の心配をしてよ。そこがディのいいところなのも分かっているけど、お兄さんは心配です。」

ずっと抱きしめたまま話すユーリお兄さま。近くで聞こえるお兄さまの声が心地いい。

「今は僕しかいないから。ディのことなら全部受け止めるよ!恐怖心も不安も、怒りだって!だから今みたく、たまにはお兄さまにお兄さまらしいことをさせてね。」

そう言って、何も話せない僕の涙が止まるまで背中を撫で続けてくれた。









背中に感じるお兄さまの手は温かくて大きかった。








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