【完結】引きこもり陰キャの僕が美形に転生したら

デジャブ⑹

「その姿お似合いよ。人のものを取ろうとするなんてとんだ泥棒もいたものね。みんなその顔に騙されているだけ。そんな顔がなければ、誰も好き好んで貴方の相手なんてしないのよ。」

容赦なく告げられた言葉に、頭の中が真っ暗になる。自分自身で見ないように、考えないようにしていたことを問答無用に突き付けられる。

あぁ、僕は結局何も変わっていないんだ。前世から。少しは、変われたと思ったのに…結局変わったのは見た目だけなんだ。

じゃあ、前世でも僕の顔がよければ…誰か一緒にいてくれたのかな。お母さんは、お父さんは出ていかなかった？学校で理不尽にいじめられることもなかった？

今そんなこと考えたって仕方がないけど、考えずにはいられない。だって、だって本当にそうなんだとしたら、今この子が言うように、僕の顔がぐちゃぐちゃになったら、今度こそ誰もそばにいてくれなくなる。








そうなったら、もう立ち直れないよ…







「何を考えこんでいるのか知らないけど、覚悟をするのなら今のうちよ？あぁ、あとそのお綺麗な顔ともお別れするんだから最後に見納めでもしておくかしら？」