【完結】引きこもり陰キャの僕が美形に転生したら

デジャブ⑵

「ディディエ＝エレクサリア様、す、すすす少しお時間よろしいでしょうか…」


「大丈夫ですよ。」

「え！大丈夫じゃないだろう。俺も行く。」

「え、何で！大丈夫だよ！ちょっと話してくるだけだから。会場で待ってて！さ、行きましょう！」

そういってアレクに手を振って男子生徒についていく。
後をついていくと人気のない部屋へ通される。うん、なんだかこの展開デジャブ…

「あの、ごめんなさい。ぼ、僕…」

「ようこそ。不釣り合いな場に居座っている愚かな者よ。」

いきなり謝り始めた男子生徒の言葉を遮るように、聞き覚えのある声が響く。

「貴方は………誰でしたっけ？」

「っ！エルヴィーラ = ピッカルーガよ！あなたがいる場所に本来いるべき名前よ！覚えておきなさい！」

エルヴィーラ = ピッカルーガ…名前を言われてもあんまりピンとこない。

やや薄暗い部屋に視界が慣れてきて、目の前でソファーにふんぞり返っている令嬢の顔が見える。

先代皇帝の子ども？隠し子？と噂されている伯爵令嬢か！道理で聞いたことのある声だと思った。