【完結】引きこもり陰キャの僕が美形に転生したら

糖度高めな友達⑶

一貴族としても気持ちが表に出るのはよろしくない。そう思いながら表情を整える様に自身の頬を揉む。

「何可愛いことをしてるんだ？」

「かっかわ！可愛くないよ！」

今日のアレクはやっぱり糖度が高い。普段は言いそうにないことをサラッと言うものだからこちらが動揺してしまう。

「あ、あのねアレク。」

そんな中、今考えていることを伝えるべく意を決して話す。

「色々考えたんだけど…もっとちゃんと向き合いたくて、もう少しお時間を頂けたらと思いまして…」

「いきなり改まって、何を言うかと思えば…ふっいいよ。俺はいつまでも待つってば。気にしないで。時間はたっぷりある。もっと頭の中を俺で埋め尽くしたい。」

「えぇ！？」

「ん？」

「いえ、なんでもないデス。」

幻聴かと思って聞き返したけど、平然とした様子で聞き返されるものだから空耳だったと思う、ことにする。

「あぁ、そうだ。」

そういっておもむろに立ち上がったアレクは僕が座っている椅子の傍らまで来て跪く。