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腕のぬくもり⑶
しおりを挟む「なんで(そう断言できるの?)」
「そんなのディが好きだからだ。好きだからディの味方でいたいし、笑顔でいてほしい。」
「好き…」
呆然とつぶやいた僕の言葉に曖昧に微笑んだアレク。
そんな僕たちの頬を暖かな風が撫でた。
好きってなんだろう。アレクは僕のことどういう好きなのかな。
気になるけど、それ以上何も言わないアレクに問いただすのも違う気がするし。
悶々と考えているといつの間にか日が陰っていた。
「そろそろ帰ろうか。ほら、ディ。」
そう言って先に立ち上がったアレクが僕に手を差し出す。
「ありがとう。」
お礼を言って手を取るとそのまま引き上げて――――
ギュっ
「え」
引っ張られた方向にそのまま抵抗なく飛び込んでしまった。そう、アレクの逞しい胸板が僕の目の前にある。
「ズルいことをしてごめん。でも今はこのままでいたい。」
この態勢のことか、僕たちの関係のことか。何を指しているのかは分からない。縋りつくように僕の背中に回った腕と声。
僕にはこの腕のぬくもりが、ただ心地よかった。
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