【完結】引きこもり陰キャの僕が美形に転生したら

回収⑵

「えっと…失礼ですがどちら様ですか？」

「いきなり話しかけるとは失礼ですね。どこの令嬢かは存じ上げませんが、マナーを勉強されたほうがよろしいかと。仮にもSクラスなのですから。」

僕の言葉に便乗したアレクが件の令嬢を問い詰める。

「なっ、私はただ…」

「ただ？」

追い打ちをかけるように令嬢の言葉を待つアレクは、獲物を逃さない捕食者のよう。

「っ！リアン様！こちらです。」

目を泳がせた令嬢が一点を見つめて表情を綻ばせたと思ったらこの国の皇子を味方につけようとしたみたい。もうなんでもいいから僕に関わらないでほしいな…この令嬢と関わっても僕にいいことなさそうだし、僕もそっとしておくから、お願いします。と頭を下げたい気持ちを飲み込んで状況を見守る。

「エルヴィーラ嬢ここにいたんだね。ディに、ローデリア家の令息か。」

リアンに名前を呼ばれてドキリとする。あの中庭での出来事以降ちゃんと話してないから、過剰に反応してしまう。