【完結】引きこもり陰キャの僕が美形に転生したら

リアンサイド⑶

「リアンさまったら、そんなに驚いた顔をされて。私がいるのがおかしいですか？」

あぁ、おかしい。ここにいるのもだが、いくら陛下の命とはいえ生徒会と一緒にいること自体がおかしい。この女はそのことに気づいていないのか？まぁ、私たちと一緒にいるときのあの自慢げな表情からして、気づいていないんだろうが…

「なぜいる？」

「落ち込んでいるみたいだったので気になって。これ落ち着くハーブティーを淹れました。よろしければ。」

「(落ちつくじゃなくて、そのまま寝てしまうお茶だろう？私がこの匂いを分からないとでも思ったのか。はたまたこの女の独断なのか、どちらにせよ…)あぁ、頂こう。」

私に毒の類は効かない。こんなお粗末な手段しか思いつかないのは残念なことだ。

いくら効かないとはいえ苦いものは苦いため、一気に流し込む。その最中、女の口角が上がるのが見えた。

「ありがとう。では会場に戻るとしようか。」

「えっ、あぁはい…」

ニコリと笑いかけながら部屋から出ることを促す。二人きりなんてうんざりだ。

無害なただの伯爵令嬢であればこんなに気分を害することもなかっただろうに。

どうにもこの女のディを見るときの目が気に食わない。まるで自分より下に見ているような、いや蔑んでいるような視線が不愉快だ。だからって好意的な視線で見ていても気に食わないが、そっちのほうが害がないため幾分かはマシだったのだが…

「(ま、何もなくてもこの伯爵令嬢の裏が取れるまでは私の近くに置いておいた方がいいだろう。安全のためにやむを得まい。)」

少しの我慢だと自分に言い聞かせて。