【完結】引きこもり陰キャの僕が美形に転生したら

ユーリサイド⑵

いくら考えても答えなんて、あの王様にしかわからないんだから時間の無駄だ。それよりも、生徒会役員の子たちが話しかけられなくて困っているから、ここは僕が人肌脱がないと！

「リアン、そろそろパーティーを閉めないといけないから挨拶してね。」

「…あぁ。」

上座に鎮座している王様は一言返事だけ返す。

パーティーは楽しいけど、生徒会ってだけで寄ってくる人が多すぎて大変だから近くに役員用の休憩室を作ったはいいんだけど、全員がここから出ようとしなかったのは次回への課題かな。
まぁ、この部屋の空気も最悪だから今すぐにでも出たい役員はいるだろうけど、出たら出たで面倒だからどうしようもなく椅子から立ち上がれないでいる人がちらほら。

「さ、みんな部屋から出ようか！パーティーの最後くらい参加しないとね！」

「「「「はい！」」」」

待ってましたとばかりに元気のいい返事が返ってきて、思わずクスリと笑ってしまう。

ピクリとも動かない王様は放っておいて役員たちを引き連れて会場へ戻る。

この後、件の伯爵令嬢が王様の機嫌をさらに損なわせることになるなんて、能天気に会場へ出向いていた僕たちは思いもしなかった。いや、思いたくなかった。