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エンカウント⑶

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「いっそのことここで命を絶ってみるとか…なんていくら僕でもそんな」


ガシャンッ


「っ!」

すぐ後ろから聞こえた物音に驚いて反射的に振り返る。

「…それは…本当に言っているのか?」

ガシッと指が食い込むくらいに両肩を強く掴まれ、痛みに顔がゆがむのを感じる。

でもそれ以上に、目の前のリアンの表情が怖くて、真剣な表情と言えばそれまでなんだけど、目の奥に光がなくて…
その目から逃れたくて、フイっと顔を反らす。

どうしてここにリアンがいるのか、いくら冗談とは言えさっきの言葉になんでそんなに反応しているのか、とか聞きたいことはたくさんあるけれど、今はとにかくリアンから離れたい。

「(さっきまで素っ気ないリアンの態度に寂しく感じていたのに、なんて自分勝手なんだろう。)」

自分に嫌悪しつつも、未だに方に食い込むリアンの指が痛くて、こちらを見つめる光のない瞳が怖く、ただただ目の前のリアンから逃げたい。

「じょ、冗談ですよ…い、痛いので離してください。」

力いっぱいリアンの手を振り払うと、今度はリアンの表情が崩れる。

「あっ」

何に驚いたのかは分からないけど、僕を見て驚愕している。

「ディ…」

「ごめんなさい、僕約束があって…会場に戻りますね。」

何かを話そうとしているリアンの言葉に被せて、架空の約束をでっち上げてその場を去る。





嘘をついたのは初めてだ。

でもそれくらい、今のリアンはいたくない。痛いし、怖いのもあるけど、それ以上に…

「(あの女の子とずっと一緒にいたリアンとは居たくない。)」






それが嫉妬だと気づくのはまだ先の話。








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感想 17

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