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それは突然⑶
しおりを挟む勢いよく女の子との距離を取るけど、茂みから複数人の足音が聞こえてくる。
ドクッドクッドクッ
「何をしているのです!」
5人の男子生徒を引き連れた女生徒が声を上げる。
よく見ると、初等部のときに騒いでいた伯爵令嬢だ。
ドクッドクッドクッ
これから起こるであろう最悪の事態に身体全体から心臓が鳴っているようで、吐き気がする。
「こ、この方が、無理やり…」
「まぁ、何てこと!エレクサリア家を背負っているともあろう者が無理やりなんて…」
「ちがっ、僕は何も!」
「私がしかと確認しましたわ!」
は、はぁ…
伯爵令嬢の勢いに若干引きつつあるも、これからのことに現実味を帯びてきて、冷や汗が出て来る。
「(どうしよう…僕、また独りになっちゃうのかな…)」
「しかし、これだけでは足りませんわね。この私を地に落としたのだから、それ相応の罰は受けて貰わなければなりませんもの。…そうだ、折角こんなに男手がこんなにいるんですもの、ねぇ?」
「え、」
伯爵令嬢を取り囲んでいた屈強な男子生徒達がじりじりと僕との距離を詰めてくる。
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