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ヴァンお兄さま⑴
しおりを挟む中等部に上がってユーリお兄さまと前以上に話す事が多くなったけど、ヴァンお兄さまは当主教育で忙しいようで話す機会が少なくなった。正直寂しいけど、邪魔しちゃダメだし、家では大人しくしている僕。
それでも食事の時は必ず家族そろって食べてるから毎日顔を合わせてはいるんだけどね。
コンッコンッコンッ
「はーい!」
家族との食事が終わって自室で休んでいる時、部屋への来訪を知らせるノックの音が聞こえる。
誰が来たのか分からないけど、返事をして取りあえずドアを開けるとそこには
「ディ、最近話せてなくて寂しかったんだ。部屋に入っても?」
ヴァンお兄さまがパジャマを着て立っていた。
さすがの美貌、パジャマ姿ですら絵になるのだから。何かの雑誌の表紙ですかと思うほどの立ち姿。僕の周りの人達は皆揃って顔が良いけど、未だに慣れてない。
「もちろんです。」
二つ返事で自分の部屋にヴァンお兄さまを招き入れる。が、招き入れてから思い出す。ヴァンお兄さまが連日日付が変わってからも仕事をしているのに、朝も誰よりも早く起きて仕事をしていることに。
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