【完結】引きこもり陰キャの僕が美形に転生したら

フラッシュバック⑵

「ど、どうしてその女の子がしたって決めつけるの！？」

思わず出てしまった一言。言い放った言葉を取り消すことなんて出来ないのに。

「っは、なんですの？いきなり。あなたには関係なくってよ。」

「そ、そうかもしれないけど、その子がしたって言いきれないし…そのブレスレット、違うところから出て来たらどうするつもり？」

誰も助けて貰えなかったあの頃。ずっと一人ぼっちだった。どこかでこうして助けてくれる人がいるかもしれないって期待していたのかもしれない。

「そうだとしても関係ないわ。平民風情が調子に乗っているのを少し注意しただけですもの。」

「平民とか貴族とか関係ない。もし区切るとしても、親の力を振りかざしている君より、自分の力で立っているこの子の方がよっぽどカッコいいいよ。」

一度出た言葉は止まらない。今までの思いがあふれ出て、感情のままに言葉を並べてしまう。

「なっ、なんですの！？いきなり出てきて無礼な！！顔が少しいいからと調子に乗っているのではなくって！？」

もはや初めの発端である女の子のことなど忘れて、僕に敵意剥きだしな伯爵令嬢。

「それに無くなったブレスレットって言うのも、この騒ぎを利用してあの女の子のカバンに入れようと取り巻きの誰かが持っているんじゃない？」

未だに疑いでしかないことを口走ってしまう。証拠のないことを行ってしまったらこの伯爵令嬢たちと同じようなことなのに…

「あぁ、そのようだ。」

僕の疑いに賛同したのはいつの間にやら取り巻きの後ろに移動していたアレク。
アレクが握っているのは取り巻きの女の子の腕。








その手にはブレスレットが握りしめられていた。