【完結】引きこもり陰キャの僕が美形に転生したら

初めまして…⑶

「入学早々何をしている！」

教室に入って来たのは恐らく担任の先生。
止めに入ってくれてホッとする。

「まだ初日だから喧嘩の詳細は聞かないが、今後このようなことがあれば、処罰の対象となる。覚えておけ。」

圧をかけながら釘を刺した担任の名前はマルスラン＝バルカ＝シシク。深い紺色の髪は緩くパーマが掛かっているようで大人の危ない色気を醸し出している。そんな担任のイケメン度もあって、さっきの一言で騒がしかった教室が一瞬で静まり返る。

令嬢達、特に一番騒いでいたメリザント＝クリダが目をハートにして担任のことを見ている。

「静かになったな。それじゃあ、入学式の会場に行くから用意しろ～」

先の怖い雰囲気とは打って変わって、ゆるーい語尾に拍子抜けする。さっきまでのキッとなっていた表情とは違って、だるそうな表情は危険な大人の雰囲気をより一層アダルトにしている。(？)

「ディ、大丈夫か？廊下でよう。」

「う、うん。」

初めましてのクラスメイトも担任の先生も、特殊な顔合わせになってしまったと、これからの学園生活に若干の不安を抱えたディディエだった。