【完結】引きこもり陰キャの僕が美形に転生したら

家宝は肌身離さず

今日は待ちにも待ってない入学式の日だ。

朝からお父さまとお母さまがあーでもないこーでもないとバタバタしている。僕の入学式だからこそ、親が見られているから、僕が舐められないためにも変な格好で行けないんだとか。

僕は制服があるからもう準備は終わってるんだけどね。ちなみに制服は黒、ブレザーで襟の縁などに金色でパイピングがされており、もちろん布自体が高級なのだが、見るからに高級品に見える。ブレザーの襟部分には金糸で繊細なリーフステッチが施されていおり、ネクタイの色は自由で僕は青色をしている。

制服のアレンジは自由と聞き、僕の胸元には先日アダム先生からもらったブローチが輝いている。もうそれだけで僕はこの制服を着た価値があるというものだ。

「ディ、待たせてしまったわね。あなたの入学式だから念には念をと思ってしまって。ついつい力が入り過ぎてしまったわ。」

「あぁ、ディに入学式早々に変な虫がつかないようにしないとと思うと、どうもな…ディお詫びに帰りケーキでも買って帰ろう！お父さんと一緒に食べようか。」

子どもに甘い両親は健在で、今日も今日とて過保護だ。

「大丈夫です！…でもケーキは嬉しい、です。」

少し正直にそう言うと、温かい微笑が帰って来た。いたたまれない…