【完結】引きこもり陰キャの僕が美形に転生したら

お帰り

ソワソワソワ、ソワソワソワ

「お父様、少しはジッとしてください。視界がうる、ゴホンッ騒がしいです。」

「ん？ヴァンよ、わざわざ言い直した意味があるか？ってぐらいにはドストレートな悪口な気がするのは俺だけかな？」

「そうですよお兄様、いくら本当のことでもオブラートに包まなければ。」

「ユーリよ、援護射撃になってるんだな、それ。」

「ほら、三人して何変なことしているんです。ディが心配なのは分かりますが、先ほどローデリア家から出たと連絡が来たのでもう少しシャンとしてくださいな。」

「失礼します。ディディエ様がご到着いたしました。」

「来た！」

我先にと走り始めた当主と筆頭に皆が玄関めがけて全力疾走するシュールな光景。
当主が一番乗りかと思われたが、玄関に到着したのは…

「ディ！お帰りなさい！楽しかったかしら、お友達の家は。」

「お母さま、ただいま戻りました。とっても楽しかったです。今度は僕の家で遊ぶ約束をしました！」

まさかの公爵夫人アンジョリーク。
これは公爵家では当たり前のことで、使用人たちが驚くことは無い。

「相変わらず早いな。ふぅ、ディお帰り。待ってたぞ。たくさん話し聞かせてくれ。」

次に到着した当主はディを抱き上げ、そのぷりぷりほっぺにキスを落とす。

「はい！」

元気よく頷いたディの満面の笑みと来たら

「「「「(ま、まぶしい…)」」」」

後から到着したヴァンにユーリはディの輝かしいほどにキラキラしている笑顔に当てられ、動けず。
これもまたお決まりの展開で使用人は動じない…フリをしているが、本当は皆ディの笑顔に当てられ動けないだけだった。