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とある日のディディエ⑴
しおりを挟むとある日、皆が仕事や学園に出かけた後――――
「今日は僕、アダム先生の授業もないし…何して過ごそうかな。」
そう、お兄さま達もお父さまもお母さまも、家庭教師の授業までない僕は今日一日暇なのだ。
この世界には、当り前だけどゲームやアニメなどの娯楽物がない。
「セバスチャン。」
「なんでしょう。」
「僕ぐらいの子どもって何して過ごしているのかな?」
「…そうですね。お友達と一緒に遊んだり、剣術や乗馬、弓術などをされているご子息が多いかと…」
剣術、乗馬、弓術…どれもお父さまが許可してくれそうにないな…
でも、剣術を習いたいと思っているから、いつかはお父さまにお願いしないとなんだけど。
「セバスチャン、読んでおいて損がない本とかってあるかな?」
「ふふふ、ディディエ様は勉強熱心ですね。ございますよ。図書室にございますので、お持ちいたしますね。」
図書室!?漫画はないだろうけど、何か面白い本とかあるかも?
「僕も行く!そこで本を読むよ!」
「畏まりました。それでは、リラックスできる、お茶やお菓子をご用意いたしましょう。」
さすがセバスチャン、分かってくれてる。
セバスチャンに案内して貰って着いた図書館は、規格外の規模に呆然としてしまう僕。
「(え、いやいやいや…いくらなんでも大きすぎない!?さすが公爵家って感じより大きい(?)よ!)」
皇族の右腕としてこの国を支えて来たエレクサリア公爵家の頭脳が詰まっているのだと思うと、その歴史に圧倒される。その家に生まれていること自体、未だに実感がわかないのに…
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