【完結】引きこもり陰キャの僕が美形に転生したら

お茶会⑴

そうして始まったお茶会は、僕の一挙手一投足に殿下が反応してお茶のおかわりを声かけてくれたり、話題やお菓子を進めてくれたり…スパダリって感じだ。

「ディディエ？お茶のおかわりもらおうか。」

「このお茶菓子、ディディエが好きそうだと思ったんだ。私の分も良かったら食べてくれ。」

「で、殿下そんなに貰うわけには…」

「気にしないでくれ。このお茶会はディディエのために用意したものだから。存分に楽しんでもらえると嬉しい。」

もう甘すぎて、茶菓子じゃなくて殿下で胸やけしそう。　

「ディディエ？どうかしたか？」

「いえ、何もありません。ぼ、僕のことはそんなにお気になさらず…」

「ふふ、気にもするさ。だって自分に惚れてほしい人なのだから。どうにかして私のいいところを見せたいと常に考えているくらいには…」

「あーあーあー！そんな話聞きたくないね。ディは気にしなくていいことだからね。もっと楽しい話をしようね！」

殿下が何か言ったみたいだけど、ユーリお兄さまの声で遮られてしまった。内容は分からないけど、ちょっと…ちょこっとだけ聞いておきたかったかも…なんて、僕は何を考えているんだろうね。

「ディ、ほら口についてるよ。」

指で僕の口についているクリームを取るとそのまま、自分の口に運んでしまうユーリお兄さま。

…ここは乙女ゲームとか漫画の世界かな？

そんな勘違いさえ起こしそうなほどに殿下もユーリお兄さまも甘い。











「ディディエ、その…良かったらなんだが、私のことをリアンと呼んでくれないだろうか？」