【完結】引きこもり陰キャの僕が美形に転生したら

あれ?間違えた？⑶

ドキリとした。僕の心の中を覗かれているようで。
それ以上は何も言わない殿下に気のせいかと、胸をなでおろす。

「ディ？こんな奴の言うことなんて聞かなくてもいいからね。」

皇子殿下相手にそんなことを言ってもいいんだろうか。

まぁ、周囲の使用人たちが温かい目で見ているから気にすることは無いんだろうけど…

「さぁ、ディディエこちらに座って。」

って言って殿下がポンポンしているのは殿下に膝の上。

殿下直々に案内をしてもらって着いたのは、キレイな花が咲いている庭園にセッティングされたお茶会会場。そこに着くや否や、爆弾発言を落とす殿下。

「ディが座るのはこっちだよ。」

ユーリお兄さまが促すのはお兄さまの膝の上。

……小心者の僕に、この二人をツッコむ勇気などない。

「僕は一人で座れます！…それにもう恥ずかしい、です。」

「(私たちの誘いを無下にしまいと、照れながらもそう言ってくれるとは…やはり可愛い。)」

「(ディ！なんて可愛いの！誘惑に少し靡きつつも年齢を気にして…家に帰ったら思う存分甘やかしてあげよう。)」

あれ、なんか見守るような生暖かい眼差しで見られているような…僕なんか返事間違った？