【完結】引きこもり陰キャの僕が美形に転生したら

可愛い子を着飾るのは楽しいもんよ

ドキドキ？ワクワク？

様々な感情が渦巻く中、近づいていくる皇子殿下に招待されたお茶会に行く日。
そんな僕の心情を知ってか知らずか、家族みんなが毎日騒いでいる。





お父さまに至っては、




「ディを皇宮になどやれるものか！ディはずっと私たちの傍にいるんだ！」




ずっと駄々を捏ねている。

「まぁあなたったら、たかだかお茶会に行くだけですのに、みっともない。」

お、お母さま…それは、聞かなかったことにしておきます。

「折角皇宮に行くならおめかししないとね。」

「えっ？」

お母様の一言でその日のうちに、皇都で有名なブティックのデザイナーを家に呼んで僕の新しい服を買うことになる。

「お母様、僕もう服はあるから大丈夫ですよ？」

「あらあら、何て欲のない子なのかしら。ディ？何も心配することは無いわ。お母様に任せなさい。」

心配することだらけなんですけどー！

「ディにはこれが似合うわねぇ。」

「お母様、ディにはこれも似合います！」

「この色も似合うんじゃないですか？」

僕とお父さまは置いてきぼりにされ、いつからか会話に入っていたお兄さま達とお母さまは楽しく僕の服選びをしている。

「みんな…いいのか。ディをこんなに可愛くしてしまったら皇子のディに対する気持ちがより一層膨らんでしまうのだぞ。ひいては、ディを手に入れるために我々が思いもよらぬ手を浸かって来るかも知れぬのだぞ！」

お父さま、キャラが変わって来てる。

「「っ！」」

いや、お兄さま達そのしまった！みたいな顔しなくても…

「僕はそんなに可愛くないから心配しなくても大丈夫です！」

「(それが可愛いんだって…この無自覚さはダメだ…)」

この時、初めてみんなの心の声が揃った時だった。