【完結】引きこもり陰キャの僕が美形に転生したら

リアンサイド⑶

「本日はご招待頂きありがとうございます。って昨日ぶりだね！リアン！」

「お前を呼んだ覚えはないのだが…」

毎日嫌でも見ている顔、もといユーリ。皇宮の前に止まった馬車を出迎えて一番に出て来た顔を見て落胆したのは想像に容易いだろう。

「皇子殿下、ご招待頂きありがとうございます！これ、つまらないものですが、よろしければ皆さんで…」

ユーリに手を差し出されて下りてきたのは、私が待ちわびた…

「ありがとうディディエ！待っていたよ！」

差し出された手土産をもらって、ディディエを迎える。
抱き上げたい気持ちを押し殺して、ハグで我慢しておく。(我慢とは…)

「お、皇子殿下！？」

ディディエはオロオロしている姿すら愛らしい。そして何故かいい匂いがする。すっぽり私の腕の中におさまってしまうのも庇護欲が掻き立てられるな。

「いくらリアンが相手でも許せないものがあるんだよ？」

周囲を癒すと言われている笑顔で目が全然笑っていないユーリは放っておいて、思い焦がれたディディエを堪能する。

これから私を知ってもらって、親睦を深めなくては…

皇子殿下の思惑に気づきながらも乗らざるを得ないエレクサリア家の面々だった。