【完結】引きこもり陰キャの僕が美形に転生したら

一方その頃

そんなディと皇子のダンスを見て、何やら企んでいる人影が二つ。

「リアン…やっぱりいつか懲らしめなくては…」

「ユーリさっきも言ったけど、不敬罪になり得る発言だから気を付けた方が…なんて言ってられないね…」

「ユーリとヴァンったら、二人して何をそんなに楽しそうにコソコソしているのかしら？」

「「っ！お母様！」」

「あら、そんなの驚くこと？こんなので背中を取られるようじゃあ、貴方たちもまだまだねぇ。」

「そうだな、ま、お母さんに負けているようじゃあまだまだだな。それにしてもディのことになると、お前たち二人は意気投合するよなぁ。お前たちが楽しそうで何よりだ。」

「お父様、そんな悠長なことを言っているとディを皇家に取られてしまいますよ。」

「そうです！リアンはディと結婚する気満々ですから！僕のディなのに…」

「いや、ユーリのディでもないからね。」

「お前たち、そんなに慌てるな。俺には秘策があるぞ！」

「「お父様！」」

ドヤ顔でそんなことを言う父親にキラキラした尊敬の眼差しで見つめる息子たち。

旦那も子どもも世間一般的には頭が切れる方、のはずなのだが…どうしてか末っ子のこととなるとこんなにアホ丸出し…ゴホンッ知能が下がるのか頭を抱える公爵夫人だった。

「私はディが幸せなら皇家でもいいと思うのだけれど…」

そんな呟きを残して、ロクでもないであろう旦那の秘策に耳を傾けるのだった。