【完結】引きこもり陰キャの僕が美形に転生したら

アダムサイド⑶

ある日……

「…あの、良かったら一緒にお茶しましぇんか？」

授業終わりに可愛いお誘いが私を待っていた。
モジモジしながら一生懸命私を誘おうとしている姿はもう、ご馳走様です。

「ふふ、もちろん私でよろしければ喜んで。」

食い気味で返事をしたいのをどうにか堪えて、大人の余裕を醸し出して返事をする。

「それにしても、どうして私とお茶を？」

メイドの方たちが用意してくれた茶菓子を嗜みながら、天使へお誘いの真意を遠回しに聞こうとしたらド直球になってしまった。戸惑っただろうに、心の中で謝罪をしておく。

「あ、あの…えっと、僕せんせえのことじぇんじぇん(全然)知らないから、もっと知りたいな、って思って…あの、迷惑でしたか？」

どう答えていいか分からなかったのか、おずおずと素直な気持ちを話してくれるディディエ様は心まで天使なのかもしれない。いや、天使だ。

「フッ、それは嬉しいですね。ディディエ様は私のことを知りたいと思ってくれていたのですか。では少し私の話をしましょうか。」

天使のご希望通りに私は自分の話をし始める。

私に興味を持ってくれたことはとても嬉しいですが、話を聞いてガッカリされないだろうか、幻滅されるのでは、とマイナスな考えがグルグルと頭の中を回る。
しかし、真剣に私の話を聞いてくれる姿に、思わず家族にしか話していない将来について口が滑ってしまう。

「ふふ、僕せんせえの授業だいしゅきです！分かりやしゅくて、楽しいです！」

子どもの単純な感想なのかもしれない。それでも、私はその言葉に救われた。教師になれるとか、向いてるとか直接的な言葉ではなく、ただ純粋に私の授業を好いてくれているという言葉に……

「それは嬉しいですね。……ディディエ様、ありがとうございます。」

「？？せんせえ、どうしてお礼？」

「ふふふ、何でもございません。」









ありがとうございます、ディディエ様。私の天使様。