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アダムサイド⑵

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「ディディエと言うの。この子も数年したらアダム君に家庭教師をお願いすると思うわ。まだ気が早いかもしれないけど、よろしくね。あっ、そうだわ。アダム君!ディのこと抱いてみない?」

そうして促されるがまま、抱いた小さな天使は力を入れたら壊れそうなほどに小さく、軽く、柔らかい。でも、不思議と自分を取り巻く環境を忘れてしまうほどに癒される。

「ディディエ様…」

キュッ

思わず名前を口にしてしまうと、ディディエ様の小さなお手が私の服をキュッと掴んで離さなくなってしまった。

「フフフ、あらあら。ディはアダム君が気に入ったのね。」

「ははは、そうだな。どうやらお気に入りらしい。」

「先生が優しい人って分かったんだよ!きっと!」

「ふふ、そうだね。私は握ってもらったことないからちょっと寂しいね。」

これが私と天使との初めての出会い。そして私が一生忘れられない大切な記憶。













そして数年後――――――

コンッコンッコンッ

「失礼いたします。ディディエ=エリクサリア様、お初にお目に掛かります、家庭教師をさせて頂くことになりましたアダム=ジノラと申します。以後お見知りおきを。」

晴れて天使の家庭教師となった私は1週間に数回程度公爵家へ勉強を教えに通っていた。

天使はそのまま成長され、更に天使力に磨きがかかっている。(語彙力皆無)

ディディエ様もさすが公爵家と言わざるを得ないほどの頭脳をお持ちで、スムーズに授業が進む。
家庭教師と生徒、それ以上でもそれ以下でもない関係は数ケ月続いていた。










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