【完結】腐女子の私が美少年⁉

私の周りは⑶

「そんなキレイな顔して、その華奢な体で何ができると言うのでしょう。仮に暗殺者が襲って来たとして、そのご自慢の顔で取り入ることしかできないでしょう。」




ヒュ―――――――




あぁ、どうしよう。人の不幸を喜んではいけないけど、どうしようもなく嬉しいことが目の前で起こっているのだから仕方がない。

好きかって言った隣国の皇子が言い終わるな否や、王座の間全体が氷付く勢いで温度が下がっていく。

「なっ！なんだ！？何事だ！」

騒ぎ立てる王子に絶対零度の視線を送るのは我らが騎士団。そして、陛下を含めた皇后様、ジルとみんなが鋭い視線を向けている。

「なっ何故私にそんな視線を送る？」

あまりの視線にしどろもどろになる王子。その周りの使節団の人たちは臨戦態勢を取っているが、その人数じゃ敵わないのが目に見えてる。

「まことに残念だ。これからも友好関係を築こうと思っている国の時期王となる者の人格がこんなに破綻しているとは。これからの関係を考えなおさないといけなくなるではないか。」

「…何を、言っている？まさか、お前たちそこの騎士を外せと言ったぐらいで怒っているのではあるまいな？」

困惑気味に問うてくる王子、それ合ってるから。

「そのまさかだとしたら…どうする？」

ジルが一歩前に出て、問い掛ける。

「どうするも何も、バカげている！一介の騎士一人に」

「その一介の騎士が我々にとって大切な人だから。それ以外に理由がいりますか？」

ジルがそう言い切ると同時に、周囲に炎が燃え上がる。

「ひぇっ」

王子が情けない声をあげて尻もちをつくが、お構いなしに問い詰めていく。

私はみんなに守られている。ジルが言ったように、大切に思ってくれているんだろう。

だから、誰に何をいわれようと不安になることなんてない。

「わ、私を敵に回したら、戦争になるかもしれないんだぞ！」

そう、嬉しい反面、私が懸念していることが隣国王子の口から出る。