【完結】腐女子の私が美少年⁉

巷で…⑵

「そういえば俺今日面白いことを聞いたよ。」

ジルが構われないことに諦めたのか会話に入って来た。

「面白いこと？」

「うん、何でも匿名で元生徒会長の悪事をまとめたものが学園に届いたとか。そしてその一部は街のいたるところに張り紙されてるって。父のところにもその内容の文面が届いてて、どうも色々やらかしてるみたいだから退学どころの騒ぎじゃなくなるかもってね。」

ん～その匿名の人の心当たりがあるんだけど、どうしよう。多分だけど、うん、そうだと思う。

ジルとバルは気づいてないみたいだけど、この短時間で街に張り紙が出来るくらい人数が居て、陛下にまで匿名で文書が送れる。あげくの果てには、その情報網。そんなの私の大切な人達しかいないじゃん。

いつの間にそんな…ありがたいよね、ほんと。つくづく大切にしてもらってるなぁって思う。

「でもそんなことできる人って限られますよね。」

「そうなんだけど、誰も手が出せないみたい。誰もが喉から手が出るほど欲しい人材なんだけど。」

そりゃそうだ、この帝国を守っている人達なのだから。

「でも、そんなに色んなことしてよく今まで隠せてましたよね。」

「あぁ、それは俺も不思議だったんだ。そこまで位が高い家柄でもない、だからそれも含めてこれからいろいろ出て来るんじゃないかな。」

ふむ、叩けば叩くほど埃が出る、か。多分、私にちょっかいを掛けなければ、何事もなくこれからも悪事に手を染められてたんだろうな。ご愁傷さまとしか言いようがない。



そう言えば、私毒の耐性を付ける訓練も始めたんだよね。この前の媚薬でちょっと危機感を持ったから、クレマさんに相談して…もちろん止められたけど押し切ったら今では協力してくれている。少量ずつだけど身体に慣らしていっている途中だ。

人を守るだけじゃなくって、まずは自分も守らないとだよね。