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昨日ぶりですね、私の幻覚…じゃないねぇ⑵
しおりを挟む「ここにいるナオ=デシャンも一員だと聞きます。私はナオ=デシャンを一戦交えたいのですが…」
「ほぉ?」
いきなりの指名に内心驚きながらも事の経緯を見守る。
だって、クレマさんの声のトーンが何オクターブか下がったもん。それに騎士団の皆のなんくるないさー君に向ける視線も鋭くなった気が…怖い…ワタシ、カンケイナイネ…
「いいだろう…その心意気は勝てる自信か?それともただの好奇心かは聞かないでおこう。」
多分、クレマさんはなんくるないさー君が私に敵意剥きだしなのに気づいてる。そして勝てると思って指名していることにも…あえて、そのことを口に出しつつ言及しないのは、負けた後に逃げ道を作っているのか…いや、反対に恥をかかせるために言った顔だ。あれは。
「自分、学園に入る前から訓練を続けていたので勝てる自信があります!もし勝てましたら騎士団への入団を検討して頂けませんでしょうか!」
そして、こいつはアホなのか。逃げ道も残っているのに自ら首を絞めて。呆れ通り越して可哀想になってくる。
「フッ、いいだろう。楽しみにしておく。」
あぁ、今のクレマさんの笑みで何人の生徒のハートが撃ち抜かれたことか…私のハートもその内の一つなんだけど。
因みに、今のクレマさんの「楽しみにしておく」はお前の負け様が楽しみだと言う副音声がありますね、はい。
「お前たちの組手は最後に残しておこう。」
私巻き込まれてない?厄日だ…
「では、名前が呼ばれた者から前に出て来い。相手の隊員はこちらで決めさせてもらう。」
そうして始まった体術の授業。これから始まるであろう公開処刑を想像すると溜息しか出ない。私は処刑人ってとこかな。
皆に愛されてるなぁとは思うけど、やりすぎ注意だよね…
ロマンさんとジーリオにいたっては親指を首の切る動作をしている。これは殺してしまえってことだろうか。ま、手加減は無用だってことだよね。
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