【完結】腐女子の私が美少年⁉

入学式が何事もなく終わる訳ない⑶

「聞いた聞いた、さすがジル！良かったよ!ジルがいればこの国は安心だね。」

当たり障りのないことを言ってこの場を凌ぐ。

「ハッ、いっちょ前に外ズラよくしてナオに心から褒められると思ったか。坊主。」

いやクレマさん口悪ッ!!相手はこの国の皇家だよ！？

年々増す可愛さに比例して、口の悪さも増していっているよね、絶対。

「俺からしたらナオからの言葉は全部宝物ですから。」

ヒラリとかわすジル。

「騎士団長殿こそ、そんなに口が悪いといつかナオに愛想を尽かされてしまいますよ。」ニコリ

全然かわしてないわ。真っ向勝負をけしかけるジル。

こんなに周りの目が多い所でレディーファイトしないでよ！

「もう二人とも、小さい子じゃないんだからこんなところで喧嘩してないで早く行くよ。」

「「はい…」」

「ふふふ、相変わらずですね。そんなだとナオに冷めた目で見られるのも時間の問題ですね。」

あぁ、またややこしくなる人が来た。特にジルとは混ぜるな危険だ。

「そういうお前は中々距離を縮められないのだろう？」

バルの言葉を鼻で笑うようにして言い返したジル。反して、バルはそれに何も言い返せないようでクッと俯く。間に入らなければ良かったのに。まぁそんな二人だから可愛んだよねぇ。ジルがいたら絡まずにはいられないんだよね。これぞ喧嘩ップルの真骨頂だよ、ありがとうバル！

この広場での出来事で入学早々私たちが目立っていたのは言うまでもない。それでも合計の年齢が高くても新しい環境へ入る時って緊張はするから、いつもの顔ぶれでちょっとばかしホッとしたことは秘密。というか絶対に言ってやらない。