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入学式が何事もなく終わる訳ない⑴

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「これより第○○回入学式を始めます。」

アナウンスが流れたことにより、私達への視線も減った気がする。それもそのはず、目の前の壇上には陛下が降臨しているのだから。

ガバリア帝国は貴族と平民との間に格差が残っているが今の陛下の活躍により、大分マシになったらしい。それもあってか、国民から陛下に対する支持が凄いのだ。

隣にいる陛下を守る立場にあるクレマさんからの陛下に対する支持は地に落ちているけど…

「皆が揃って入学出きた事を嬉しく思うぞ。ここは学びの場だ。だからこそ、身分を気にすることなく皆が切磋琢磨して高め合える場所になってほしいと願っている。私の大切な子たちよ、これからたくさんの苦難が皆を襲うだろう。だが、先生も親もいるのだ。のびのびと自分たちらしく成長できること祈っている。」

そんな陛下からのありがたいお言葉も終わり、新入生の挨拶に入る。因みに、私とクレマさんには響かなかった陛下のお言葉に、参列していた親御さんたちや新入生、在校生が涙していた事を伝えておこう。クレマさんなんかずっと私の髪を撫でて顔をうずめてを繰り返している。

「温かな春の木漏れ日にてらされ、私達新入生は―――――――」

ここの世界でも春夏秋冬の季節があり、学園入学の季節も日本と何ら変わりない。だからこそ、未だに私の夢の中かなって思うときがある。
って回想はこれぐらいにして、ジルの挨拶をちゃんと聞く、聞いてなかったら拗ねてめんどくさくなる…じゃなかった、聞かないと可哀想だからクレマさんをちゃんと座らせてジルの言葉に耳を傾ける。
ほんと、どっちが親なのか分からなくなる時がある。

「以上を持って新入生の挨拶とさせていただきます。」

あぁッ!終わっちゃった…何も聞いてなかったわ、ごめんジル☆

クラスの発表があるためそのまま、広場の方までクレマさんと出る。魔法学園と言うこともあり、入学試験には魔力測定もあって筆記と魔力、魔法の実技によって実力でクラスが決まるらしい。魔法は学園に入ってから習っていく物とされているからメインは筆記テストらしいけど…

もちろん私は満点に近い自信がある。なにせ、クレマさんをはじめとした特別講師たちが私の周りにはいるからね。前の世界での勉強は好きじゃなかったけど、ここでの特に魔法の勉強はゲームの攻略法を読んでるみたいな感じだから捗るんだよね~

一際混雑している所の方を見ると、掲示板の様なものが立っているのが見える。多分クレマさんが歩いていたらモーゼの様に人混みが履けるんだろうけど、あそこに入っていく勇気はないから、魔法を使って視力を上げる。

「あ、Sクラス…」



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