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私はクレマさんの情緒が心配です
しおりを挟む「それで?今日は何の用で呼んだんだ。ただお茶飲むだけの為に呼んだわけじゃないんだろう?」
「あぁ、ジルが珍しく気に入ったようだったからな。学園に入るまでにジルとの仲が良くなればと思って。」
「ほぅ、ついでにちょうどいい護衛にとでも思ったか。」
今回の招待の裏を探ったクレマさんの鋭い視線と言葉が陛下に刺さる。
「全く下心がないと言えば嘘になる。だが、ジルが初めて我儘を言ってくれたんだ。仲を取り持つだけでもという親心だ。」
なるほど、そういうことか。
今の皇太子殿下は側近候補が誰もいないようだ。皇家は常に命を狙われる立場であり、それは学園に入っても変わらない。だからと言って、学生じゃない護衛を学園に入れることは出来ない。そこで、同い年でジル自身が気に入ったと言った私に白羽の矢が立ったということだ。
クレマさんはただでさえ私を任務や危ないところへ連れて行くことを嫌がる。それを、普通の学園生活では巻き込まれない余計な危険を皇太子殿下の側近をすることで被るんじゃないかと危惧しているわけで…
悪く言えば陛下が私を利用しようとしたことに怒っているようだ。
皇太子だと暗殺とかもあるんだろうけど、四六時中の護衛じゃなければ私はいいんだけどな。
「クレマさんありがとう。僕学園内での皇太子殿下の護衛しますよ。四六時中でなければ、ですけど。」
「ナオっ‼学園に入ってまで仕事なんてしなくていいんだぞ?」
「うん。でも、僕強くなるために常に警戒は解かないよ?だから、ついでって言うと言葉良くないかもしれないけど一緒にいるときは護衛出来ると思うよ。それに、守るために騎士団に入ったのに皇太子(大事な攻め要員)守らないなんて選択ないよ。」
「ナオっ!!なんて良い子なんだ。俺は心配だよ。」
そう言って私をまた膝の上にのせてギュッと抱きしめた。
目の前の三人がお礼やら行為を咎める言葉を言っているが正直耳に入ってこない。
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