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皇后にお呼ばれしたのですが…
しおりを挟むひと騒動あったお茶会から数日後、皇后からお呼ばれし、またまた王城へ出向くことになってしまった。
もちろんクレマさんは大反対で、未だに拗ねてる。
「ナオ、本当に行きたくなかったら行かなくてもいいんだぞ?」
「そんなわけにはいかないよ、皇后様の直々の招待なんだから。」
朝から何回したか分からないやり取りを馬車の中でする。
「クレマさんどうしてそんなに行かせたくないの?僕粗相しないように頑張るよ?」
「違う、そんなこと心配してない。ナオ、皇家には気を付けろ。純粋なナオが汚される…」
私純粋じゃないんだけどな~色んな意味で。
「皇家の人に嫌なことされたの?」
「嫌なこと…と言うか皇家が関わると面倒なことしか起こらないんだ。」
そう呟くように話すとクレマさんはそれから口を開かなくなってしまった。
機嫌が悪くなったのかと思ったけど、私を後ろから抱きしめて私の髪に顔を埋めてるから怒ってる訳ではないんだろうと自己解釈する。
最近よくするこの体勢、初めこそ恥ずかしくてキャパオーバーしていたが、だんだん慣れてきた今日この頃。
まぁ、クレマさんの美貌はいつになっても慣れないんだけど…顔見なかったら大丈夫!それに背中にはフワフワな胸筋の感覚があって幸せ…失礼しました。
ガタンッ
「ほぁ~相変わらず大きいねぇ。クレマさん、着いたよ!行こう?」
「(´・д・`)ヤダ」
そう言って、私の背中に顔をスリスリしてくる。
「う゛っ…」
は、可愛すぎかよ。
「ナオどうした?大丈夫か?」
「ゴホンッ、大丈夫です。ちょっと発作が…じゃなくて、咳がちょっと。気にしいないでください。それより、行こう?嫌なことは早く終わらそう!」
「………うん」
いや、間‼
しぶしぶだがクレマさんは馬車から降りて私をエスコ―トしてくれる。私今は男の子なんですけどー?気にしたら負けだよね。
連れて行かれるがまま、応接室のような部屋へ入った。王城の前には門番の人がいたんだけど、クレマさん顔パスだよ。顔パス、VIPじゃんね。
部屋にはもう人がいて、皇帝、皇后、皇太子が揃ってた。錚々たる顔ぶれに生まれたての小鹿みたいに足がプルプルする。
「わざわざ呼び出して何の用だ?」
相も変わらず王族に対しても態度が変わらないクレマさんの袖を思わず握りしめる。
「大丈夫だ。俺がナオに指一本触れさせない。」
いや、私が怖がってる元凶あなたなんですけどー?
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