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鼻息荒くても美男ですね

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「ではナオちゃん、一度見本を見せますのでそこから詳しい話をしましょう。」

ロマンさんはそう言うと片手を人がいない方へ向け小声で何かを唱えた。
すると手から魔法陣のようなものが浮き上がり、手を向けた方の木へ風が吹いたと思うと木々に無数の傷がついた。

「うわぁ、すごい!ロマンさんすごい!かっこいいなぁ。」

初めて見た魔法に興奮してしまい、語彙力皆無の言葉が口から出てしまう。

「ナオちゃん!!ありがとうございます。ナオちゃんにそう言っていただくために私の魔法はあるのですね。」

うん、ちょっと言ってる事意味分かんないけど喜んでくれてるようで良かった。

「じゃあ早速魔法の概念などを説明していきますね。まず、魔法の発動にはどんな魔法を打ちたいのか想像する必要があります。それが具体的であるほど威力は上がります。もちろん魔力を込める量や術式のレベルも作用しますが、より具体的にイメージができると魔力を無駄遣いせずに済みますし、レベルの高い魔法もあまり必要なくなるでしょう。つまりはコツってことですね。魔法陣はイメージが弱い人が使うと補助をしてくれるようなものなためあまり理解していなくても問題ないかと思います。魔法発動時必ず出現しますがお気になさらず。魔力の乗せ方ですが、私がお手伝いしますのでまずは魔力を循環させてみましょう。」

なるほど、イメージで魔法が発動できるなら前の身体での知識で何とかなるかも…

「ナオちゃんお手を失礼しますね。」

ロマンさんはそう言って鼻息を荒くしながら私の手を握ると魔力を流してくれようとしているのか、手からジン割と温かいものが流れてくる。

「クレマさん、身体に温かいものがきて気持ちいいです。」

「ナオちゃん!!その言い方はちょっと…あ、いえすみません。ゴホンッ、それが魔力の流れで間違いないかと。その流れを全身にまんべんなく流し、筋肉の補強に使うと身体強化の魔法になります。後は魔法をイメージするときに手先に集め放つ様にすることで発動できるかと思います。あぁ、ちなみに魔法発動時の呪文はあってないようなものなので気にしないでください。私はある方が安心するので。」

ロマンさんは一通り説明すると握っていた手を名残惜しそうに離して…いや離してくれなくてギュッと力強く握ったまま…

「あとは実践あるのみですね。早速初めてみましょう。」

そう、手を握ったまま。

「ロマンさん、あのー手を離して貰えるとあり難いです。」

「ナオちゃん、そんなあなたまで私とあなたを引き離そうとしないでください。滅多に一緒にいられないあなたとの貴重な2人の時間なのですよ。」

んな、たいそうな。そんなに血走った眼で言われると怖いし…

「ロマンさん、僕も久しぶりにロマンさんと話せてうれしいよ。でも、僕魔法を使うの初めてだしロマンさんに何かあると嫌だから…ね?離して?」

「ナオちゃんそこまで私のことを考えてくれるなんて…私はなんて幸せ者なんでしょう。」

そんな大層な内容だったかな。
ロマンさんは残念なイケメンだけど良い人なんだよね。なのになんとなく話かみ合ってない時があると思うのは私だけかな。


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