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残念でもイケメンはイケメン

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騎士団の詰所まで行く途中、騎士団についての話を聞いた。ガバリア帝国の騎士団は中心にある帝都とその周辺を囲む町を東西南北に分け、見回りなどの活動行っている。クレマさんは帝都の騎士団長であり、謂わば騎士団のトップである。
聞いていると実力主義らしいが、それを鼻にかけることなく、話の節々から騎士団の隊員の人たちのことを大切にしていることが分かる。私もこんな上司の下で働きたかった…

ちなみにこの世界は剣と魔法がある世界みたい。魔法は魔力を持っている人の方が少なく魔法を使える人は貴重らしい。いわば貴族や位の高い人に多いらしい。みんなが使えるものじゃないため生活には困らないように化学のある程度進歩しているみたい。まぁ正確には異世界人が知識を落としていくからなんだけど。

「ここが騎士団の詰所だ。後ろには寮もあって寝泊まりしている隊員も結構いるんだが、俺は家があるから安心してくれ。」

そう言って、クレマさんが指した建物はとにかく大きい(語彙力)。異世界でよく出てくる、ギルドみたいな古い感じを想像してたけど思っていたより何倍も綺麗でお城みたい。建物の上には旗が立っており、帝国の国旗のようなものらしい。
クレマさんは慣れたようにその建物の中へ、私の手を引いて入っていく。クレマさん、森を出たときから、なにかあったら危ないからとずっと手を繋いでくれてたんだよね。

町ではいろんな人に話かけられてて、騎士団かクレマさんかは分からないが慕われているのがよく分かった。
町では黒髪の人もおり、ちょっと日本が恋しくなった。
そう考えてる間にも、クレマさんは手を繋いだままどんどん詰所内を進んでいく。すると、グラウンドらしき場所についた。

「ここが訓練場だ。俺は毎日は来ないが、隊員は毎日訓練して技術を磨いている。」

およそ、2クラス分ほどの隊員さん達が木刀で手合わせをしていた。

「皆さんカッコいいですね。僕も、強くなりたいです。」

そう、ガチムチとはいかなくとも、細マッチョぐらいにはなりたい。

「ナオはまずよく食べてよく寝るところから始めようか。」

「はい!」

1人の美青年が話しかけてきた。

「団長、どこにいってたんですか。探しましたよ。」

「すまない、ちょっと散歩に行ってたら思いのほか時間が過ぎていた。」

「思いのほかって…まぁ今日中の仕事は終わっていましたし、戻ってきてくれましたのでいいですが…その子供は何ですか?」

そう言って覗き込んできた人は、水色の長髪をロウポニーテールして、同じ水色の瞳。小顔に二重でシャープ目、薄い唇のお顔は絶世の美女に見えるが、騎士団は女子禁制のため列記とした男性である。

「ナオだ。森で拾った。異世界から来たようだ。だから、俺が保護することにした。息子だな。」

言葉足りてる?団長さん大丈夫かな。

「初めまして。ナオと申します。よろしくお願いします。」

精一杯の笑顔を心掛ける。

「あぁ、ご丁寧に。私は副団長をしています、ロマン=リコールです。よろしくお願いします。それにしても、拾ってきたって…え?人?天使?異世界って天界?」

「大丈夫だ、ロマンの気持ちはよく分かる。異世界人のようだから人間で間違いないだろう。

「そうなんですね…ゴホン、取り乱してしまいすみません。改めてナオさんお願いしますね。私のことはお兄ちゃんとでも思っていただければ幸いです。」

「ロマンお兄ちゃん?」

「ッ~~!!ありがとうございます。」

「ッ!!…おい、。ナオに何やらせてんだ。その特権は俺だけのものだ。ナオ、お兄ちゃんは付けなくていいぞ。」

「う、うん。じゃあ、ロマンさんで。」

ちょっと申し訳なくなりながら言うと…

「あぁ、それもいい!!」

ロマンさんは変態チックなセリフとともに顔を紅潮させ、息遣いが荒く、目が血走ってて、恍惚とした表情をしており、僕の中で残念なイケメン認定がされた。



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