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第一章 運命の再会

第十話 師匠の存在

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俺には子供の頃から習っていたものがある、それは《合気道》だ一般的にメジャーなものではないが小さい子供が扱うものとしては一バッb最適なのではないだろうか。習いはじめは3歳の時近所にあった道場に母親が連れて行ってくれたことに始まり、今に至る。師匠は現在56歳とちょっとした高齢者ではあるが、腕前はかなりのもので一度も勝てたことがない。結構通っていたこともあり今ではダウ状で一番強いところに座している。

「遅くなりました」

「おー、思ったより早かったな。そのまましっぽり行くのかと思ったぜ」

「しっぽりって・・・」

「ちょっと、お父さん‼︎」

この人は麗華さんと言って師匠の一人娘だ。今は大学に通いながら道場の手伝いをしている。もちろん道場の娘だけあって、女性の中では一番強い。

「そいいうこと言ってると、嫌われちゃうよ」

「そんなしっぽりくれーで嫌われたんじゃたまったもんじゃねーよ」

「はい、もういいですから今日はあんまり時間ないので軽くお願いします」

「おうよ、早速始めっか」

いつからだったか、道場でやってることは師匠との組手だけになっていた。師匠も、『お前との組み手が一番練習になる』なんて言っていた。俺としても実践練習ができるからいいのだが

「そういや爽侍」

「はっ、はいなんですか」

「お前、大会とかは出なくていいんだったよな」

「ええ、そういうのには興味がないので」

「そうか、まー俺の見立ててでは同年代でお前に勝てるやつなんていないからいいんだがな」

「また・はっ・そういうことを言って、そんなわけないじゃないですか・・ふー」

「ま、お前がいいんならしょうがないがな」

いつもこんなことを喋りながら様々な技をかけていく、まったくなんでこんなに動いてて息切れ一つしないんだからすごい。最小限の動きで捌けている証拠だ。

「よし、今日はこの辺でいいだろ。どうだ夕飯食ってくか」

「いいんですか、麗華さんのご飯おいしから楽しみですよ。母に連絡入れますね」

「おう、先風呂はいっから終わったら使っていいぞ」

「ありがとうございます」

いつも夜一人だけになったら夕飯に誘ってくれる、こういう関係は続けていきたいものだ。よし、母さんに夕飯不知火さん家で食べて帰りますっと。これでいいか。

「あ、麗華さん今日も夕飯ご馳走になります」

「うん、お母さんまた仕事で海外だから私が作ったものだけど」

「いえいえ、麗華さんのご飯美味しいから嬉しいですよ」

「そ、そうありがとう・・・きょ、今日は唐揚げだからいっぱい食べてね」

「はい‼︎」

麗華さんのご飯はかなり美味しい、ちなみに不知火家の母親はデザイナーとして世界中飛び回っているらしい。一体どういう組み合わせの夫婦なんだか

「おい、いちゃいちゃしてねーで風呂入っちゃえー」

「い、いちゃいちゃなんてしていません」

「そ、そうよお父さん‼︎」

「はいはい、麗華ビールくれ」

「わかりましたよ」

「じゃあ、お風呂いただきます」

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「今日も色々とありがとうございました」

「おうよ、どうせまた近いうちに来るんだろ?」

「ええ、体鈍っちゃいますし」

「よし、連絡待ってっぞ。後くれぐれも力の乱用は避けろよ」

「はい、もちろんです」

いつも帰りにはこれを言われる。力持つものそれなりの責任と覚悟を持て、だったかとにかくこういいところはかなり厳しいのだ。

「今日は色々あってちかれたし、直帰バッタンキューだな」

そうだ柏崎に連絡しねーとな、家帰ったら母ちゃんに聞いてみるか

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