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第四話 六万の侵略者

4.

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 キバたちは、兵士を徴収し、すぐさまジュート方面へと進軍した。
 伝令からの詳しい情報により、敵の3万の軍のうち、まずはもっともアルザスに近いリッテル辺境伯領の軍団一万が、アルザスに到達することがわかった。そこから遅れること数日でロイド男爵領の軍団一万が続き、最後の遠方からくるリール伯爵軍、王都軍と続く。

 すなわち、目下の目標は、リッテル辺境伯の軍団一万を倒すことだ。

 敵はリント荒野を通って、アルザスへと向かっていることがわかっている。
 そこでキバたちは、荒野を抜けたところで彼らを迎え撃つことにした。

「このあたりなら、我々の力を発揮するのにふさわしい」

 現地に着き地形を確認すると、ベッテルハイム大将は満足そうに頷いた。

 リッテル辺境伯軍との戦いでは、キバとベッテルハイム大将で相談した作戦を使うことになっていた。その作戦には、視界を遮る林と丘が好都合だった。

「敵にわかるように、薪をどんどん燃やせ。奴らにこの場所を教えてやるのだ」

 ベッテルハイムが部下に命令する。
 シフ人たちは威勢良く返事をして、すぐさま行動に移った。

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