296 / 319
第5章:建国式典
第270話:いざ、パーティーへ
しおりを挟む
~カイト視点~
ルネと別れてからは、レーノにアドバイスを聞きながら、パーティーの準備を終わらせていった。
ルネからはあの後、おそらくヴァンさんを通じて、「手合わせを!」というメッセージが送られてきた。ルネも建国式典に出席するようなので、時間があれば・・・・・・、というかほぼ確実に手合わせする流れになる気がする。
準備としては、僕とポーラが着ていく衣装や持っていく手土産、最低限覚えておいた方が楽な貴族の名前やその子女の名前を確認すること等々・・・
僕たちは初対面の相手ばかりだが、一度に自己紹介をされても覚えきれるか分からないので、念のため高位貴族から順に予習しておいた。
一番大変だったのはメイジュちゃんへの説明だったと思う。コトハお姉ちゃんが助けて以来、基本的にポーラと一緒に行動しているメイジュちゃんを、パーティーに連れて行くわけにもいかない。
何度か説得し、最終的にはキアラと一緒にいてもらうことで話がまとまって一安心。メイジュちゃんがキアラに懐いてくれたのは良かったと思う。
そんなキアラには、コトハお姉ちゃんが言っていたようにパーティーへの参加は断られた。これは予想通りだったので、キアラにはメイジュちゃんやシャロンのことをお願いしておいた。
キアラはコトハお姉ちゃんと同じ世界の出身だという『異世界人』の人たちや、彼女たちを護衛している冒険者パーティ「ラヴァの娘」のメンバーとも仲良くなっているようなので、彼女たちと一緒に過ごすらしい。
♢ ♢ ♢
慌ただしく準備を終え、パーティー当日。
パーティーの会場は、城ではなく王都にあるバイズ公爵家のお屋敷になる。いくらアーマスさんやラムスさんがお城で重要な仕事をしているとはいえ、建前上はバイズ公爵家が私的に開催するパーティーの会場として、城の広間を使うことはできない。
王家とバイズ公爵家の繋がりが強すぎると他の貴族の反感を買いかねないし、そもそも「バイズ公爵家は自分たちでパーティーすら開催できないのか」などと、無駄な批判を受けることになりかねない。
そんなわけで、会場はバイズ公爵家のお屋敷。
滞在している城からは馬車を使って屋敷を目指す。僕は断りたかったのだが、僕とポーラ、レーノが乗る馬車の前後にはうちの騎士団の他に近衛騎士が2名ずつ馬に乗り護衛をしてくれている。
「そういえばさ、僕たちのお屋敷は決まったの?」
バイズ公爵家のお屋敷まで少しあるのでレーノに聞いてみる。キアラによれば、買う屋敷は決まったとのことだったけど・・・
「はい。既に手続は済んでおります」
「そうなんだ。じゃあ、近々移動するの?」
「いえ、あと数日かかるかと。大公家の屋敷、ということでいくつか改装したい箇所があり、コトハ様に許可をいただき、作業に入っております。また、父やジョナスから騎士団目線での改装希望もありまして。どれも軽微なものですので、数日中には完成する予定です」
「そうなんだ。なら、もうすぐだね」
「はい」
問題なく決まったのなら安心だ。
あと少しでお城での生活も終わりかと思うと少し寂しい・・・?
いや、まさかそんなことを思う日が来るとは思わなかったけど・・・
そのまま問題なく進むこと少し、
「カイト様、ポーラ様。バイズ公爵家のお屋敷の前に到着いたしました。これから中に入ります」
御者をしていた騎士から報告があった。
「カイト様、ポーラ様。よろしいですか?」
レーノが最終確認をしてくる。
「うん、大丈夫」
そう伝えると、再び馬車が動き始めた。
「カイト様、ポーラ様。私は会場に入ることはできません。お二人は、会場に入ると同時に注目を集めることになると思いますが、変に気を使わず、堂々と。今のお二人は、立派な貴族家の子女ですから」
「うん、ありがとう」
「任せて!」
自信満々のポーラは不安だが、何とかなると信じよう。
最悪、フォブスやノリス、ラムスさんもいるし。それに、多くの貴族の目には、僕とポーラの後ろにはコトハお姉ちゃんが見えている。コトハお姉ちゃんに頼りすぎたり、迷惑を掛けたりはしたくないが、何かあってもコトハお姉ちゃんがいるという安心感は、何ものにも代え難い。
僕とポーラは、コトハお姉ちゃん、クルセイル大公の弟妹として堂々と振る舞うだけだ。
♢ ♢ ♢
「本日は、お越しいただきありがとうございます。カイト様、ポーラ様」
馬車を降り、中に案内されるとフォブスとノリス、そしてラムスさんとラムスさんの妻で2人の母親、そして国王陛下の娘であるミシェルさんが出迎えてくれた。挨拶はラムスさんだ。
今日の主催者勢揃い、他にも招待客が続々と到着しているが、それを無視してここに揃っている。
「招待に感謝します。当主であるクルセイル大公本人に代わり、お礼申し上げます」
事前に準備していた挨拶を返す。
今日の僕は、カイト・フォン・マーシャグ・クルセイルであると同時に、クルセイル大公家当主コトハ・フォン・マーシャグ・クルセイルの名代でもある。そのことを意識して、挨拶しなければならない。
ただ、相手はラムスさんとミシェルさん、そしてフォブスにノリスだ。他の人がいなければ、いくら貴族家同士といえどもこんな格式張った挨拶はさすがにしない。
今のやり取りは、これを見ている他の貴族向け。レーノに教わったことを思い出しながら、話を進めていく。
「ささやかではありますが、我が領自慢の品を持参いたしました。どうぞ、お納めください」
そういってレーノに指示を出す。
レーノの合図で、2人の騎士がそれぞれ箱を持ってくる。
バイズ公爵家の使用人が、机を用意してくれたので、騎士がそこに箱を並べ、蓋を開ける。
中には、
「・・・」
「これは・・・」
声を出すことはしないがその顔には驚きが見て取れるラムスさんと、思わず声が出てしまったフォブス。フォブスは後で怒られるな・・・
「クライスの大森林に生息している二つ首の魔獣。亜竜に分類される『ツイバルド』という魔獣の魔石です。クルセイル大公領の領都ガーンドラバル周辺や森の奥で狩りや騎士団が訓練をしていると、遭遇することがあります。これら4つの魔石は、クルセイル大公であるコトハ本人、私、こちらにいる妹のポーラ、そして騎士団がそれぞれ討伐した『ツイバルド』の魔石になります。どうぞ、お納めください」
同じく、予め用意しておいた紹介を述べる。
厳密には、この4つの魔石の持ち主であったツイバルドを、それぞれが1体ずつ倒したかは定かではない。空を飛んでいる関係で、コトハお姉ちゃんやポーラが魔法で倒すことが多いからだ。
とはいえ、騎士団でも討伐は可能だし、僕も倒した経験はある。今回は、バイズ公爵家というよりはこの光景を見ている他の貴族へのアピールなので、僕ら大公家の3人はもちろん、騎士団も討伐できるということを示すには、この紹介が適当だと考えた。もちろん、レーノと一緒に。
魔獣・魔物の強さを比べることは難しいが、魔石の大きさはその指標になる。一般に、大きな魔石を持つ魔獣・魔物は強いと考えられており、大きな魔石の価値は高い。
ツイバルドの魔石は、ここにいる貴族にとってもよく知るゴブリンやオーク、グレートボアの魔石に比べれば当然、バイズ公爵家を通して少量だが卸しているファングラヴィットやフォレストタイガーと比べても大きい。
当然、これを見ていた貴族の目は驚きに見開いていた。
「これは、大層な物をいただきまして、ありがとうございます。さぁ、どうぞ中へ」
ラムスさんがどうにか言葉をひねり出し、僕とポーラに中へ入るよう促してくれた。
それを見て、執事の1人が前に出て・・・って、僕とポーラがガッドにいるときに主に教師役としていろいろ教えてくれたグレイさんだった。
「どうぞこちらへ」
グレイさんに案内され、2人で会場へと入る。
フォブスとノリスは、出迎えのために玄関に残るようだ。とはいえ、こういったパーティーには、爵位の低い者が先に入り、高い者は後半に入るというマナーがある。僕たちは大公家ではあるが、僕らは当主ではないので、上位の伯爵家が来るであろう時間に合わせて屋敷に到着した。
なので、まだ伯爵家が少しと侯爵家の人たちは中に入ってはいない。といっても到着はしだしているので、出迎えも直に終わると思う。
少し進んだところで、
「カイト様、ポーラ様。ご無沙汰しております。ご壮健で何よりにございます」
「こちらこそ、お久しぶりです」
「本日は出席者が多いですが、ガッドでお教えしたことを胸に、パーティーを楽しんでくさいませ」
と、ガッドでの教師の顔を一瞬戻して微笑むグレイさん。僕はそれほどだったが、フォブスとポーラがよく怒られていたのを思い出し、笑ってしまった。
「それでは、こちらになります。お食事は壁際に。お飲み物は壁際のテーブルにも並んでおりますが、中にいるメイドにお申し付けくだされば、お持ちいたします」
「分かりました」
「それでは、失礼いたします」
会釈し玄関へと戻るグレイさんを見送り、僕たちは会場へと入った。
ルネと別れてからは、レーノにアドバイスを聞きながら、パーティーの準備を終わらせていった。
ルネからはあの後、おそらくヴァンさんを通じて、「手合わせを!」というメッセージが送られてきた。ルネも建国式典に出席するようなので、時間があれば・・・・・・、というかほぼ確実に手合わせする流れになる気がする。
準備としては、僕とポーラが着ていく衣装や持っていく手土産、最低限覚えておいた方が楽な貴族の名前やその子女の名前を確認すること等々・・・
僕たちは初対面の相手ばかりだが、一度に自己紹介をされても覚えきれるか分からないので、念のため高位貴族から順に予習しておいた。
一番大変だったのはメイジュちゃんへの説明だったと思う。コトハお姉ちゃんが助けて以来、基本的にポーラと一緒に行動しているメイジュちゃんを、パーティーに連れて行くわけにもいかない。
何度か説得し、最終的にはキアラと一緒にいてもらうことで話がまとまって一安心。メイジュちゃんがキアラに懐いてくれたのは良かったと思う。
そんなキアラには、コトハお姉ちゃんが言っていたようにパーティーへの参加は断られた。これは予想通りだったので、キアラにはメイジュちゃんやシャロンのことをお願いしておいた。
キアラはコトハお姉ちゃんと同じ世界の出身だという『異世界人』の人たちや、彼女たちを護衛している冒険者パーティ「ラヴァの娘」のメンバーとも仲良くなっているようなので、彼女たちと一緒に過ごすらしい。
♢ ♢ ♢
慌ただしく準備を終え、パーティー当日。
パーティーの会場は、城ではなく王都にあるバイズ公爵家のお屋敷になる。いくらアーマスさんやラムスさんがお城で重要な仕事をしているとはいえ、建前上はバイズ公爵家が私的に開催するパーティーの会場として、城の広間を使うことはできない。
王家とバイズ公爵家の繋がりが強すぎると他の貴族の反感を買いかねないし、そもそも「バイズ公爵家は自分たちでパーティーすら開催できないのか」などと、無駄な批判を受けることになりかねない。
そんなわけで、会場はバイズ公爵家のお屋敷。
滞在している城からは馬車を使って屋敷を目指す。僕は断りたかったのだが、僕とポーラ、レーノが乗る馬車の前後にはうちの騎士団の他に近衛騎士が2名ずつ馬に乗り護衛をしてくれている。
「そういえばさ、僕たちのお屋敷は決まったの?」
バイズ公爵家のお屋敷まで少しあるのでレーノに聞いてみる。キアラによれば、買う屋敷は決まったとのことだったけど・・・
「はい。既に手続は済んでおります」
「そうなんだ。じゃあ、近々移動するの?」
「いえ、あと数日かかるかと。大公家の屋敷、ということでいくつか改装したい箇所があり、コトハ様に許可をいただき、作業に入っております。また、父やジョナスから騎士団目線での改装希望もありまして。どれも軽微なものですので、数日中には完成する予定です」
「そうなんだ。なら、もうすぐだね」
「はい」
問題なく決まったのなら安心だ。
あと少しでお城での生活も終わりかと思うと少し寂しい・・・?
いや、まさかそんなことを思う日が来るとは思わなかったけど・・・
そのまま問題なく進むこと少し、
「カイト様、ポーラ様。バイズ公爵家のお屋敷の前に到着いたしました。これから中に入ります」
御者をしていた騎士から報告があった。
「カイト様、ポーラ様。よろしいですか?」
レーノが最終確認をしてくる。
「うん、大丈夫」
そう伝えると、再び馬車が動き始めた。
「カイト様、ポーラ様。私は会場に入ることはできません。お二人は、会場に入ると同時に注目を集めることになると思いますが、変に気を使わず、堂々と。今のお二人は、立派な貴族家の子女ですから」
「うん、ありがとう」
「任せて!」
自信満々のポーラは不安だが、何とかなると信じよう。
最悪、フォブスやノリス、ラムスさんもいるし。それに、多くの貴族の目には、僕とポーラの後ろにはコトハお姉ちゃんが見えている。コトハお姉ちゃんに頼りすぎたり、迷惑を掛けたりはしたくないが、何かあってもコトハお姉ちゃんがいるという安心感は、何ものにも代え難い。
僕とポーラは、コトハお姉ちゃん、クルセイル大公の弟妹として堂々と振る舞うだけだ。
♢ ♢ ♢
「本日は、お越しいただきありがとうございます。カイト様、ポーラ様」
馬車を降り、中に案内されるとフォブスとノリス、そしてラムスさんとラムスさんの妻で2人の母親、そして国王陛下の娘であるミシェルさんが出迎えてくれた。挨拶はラムスさんだ。
今日の主催者勢揃い、他にも招待客が続々と到着しているが、それを無視してここに揃っている。
「招待に感謝します。当主であるクルセイル大公本人に代わり、お礼申し上げます」
事前に準備していた挨拶を返す。
今日の僕は、カイト・フォン・マーシャグ・クルセイルであると同時に、クルセイル大公家当主コトハ・フォン・マーシャグ・クルセイルの名代でもある。そのことを意識して、挨拶しなければならない。
ただ、相手はラムスさんとミシェルさん、そしてフォブスにノリスだ。他の人がいなければ、いくら貴族家同士といえどもこんな格式張った挨拶はさすがにしない。
今のやり取りは、これを見ている他の貴族向け。レーノに教わったことを思い出しながら、話を進めていく。
「ささやかではありますが、我が領自慢の品を持参いたしました。どうぞ、お納めください」
そういってレーノに指示を出す。
レーノの合図で、2人の騎士がそれぞれ箱を持ってくる。
バイズ公爵家の使用人が、机を用意してくれたので、騎士がそこに箱を並べ、蓋を開ける。
中には、
「・・・」
「これは・・・」
声を出すことはしないがその顔には驚きが見て取れるラムスさんと、思わず声が出てしまったフォブス。フォブスは後で怒られるな・・・
「クライスの大森林に生息している二つ首の魔獣。亜竜に分類される『ツイバルド』という魔獣の魔石です。クルセイル大公領の領都ガーンドラバル周辺や森の奥で狩りや騎士団が訓練をしていると、遭遇することがあります。これら4つの魔石は、クルセイル大公であるコトハ本人、私、こちらにいる妹のポーラ、そして騎士団がそれぞれ討伐した『ツイバルド』の魔石になります。どうぞ、お納めください」
同じく、予め用意しておいた紹介を述べる。
厳密には、この4つの魔石の持ち主であったツイバルドを、それぞれが1体ずつ倒したかは定かではない。空を飛んでいる関係で、コトハお姉ちゃんやポーラが魔法で倒すことが多いからだ。
とはいえ、騎士団でも討伐は可能だし、僕も倒した経験はある。今回は、バイズ公爵家というよりはこの光景を見ている他の貴族へのアピールなので、僕ら大公家の3人はもちろん、騎士団も討伐できるということを示すには、この紹介が適当だと考えた。もちろん、レーノと一緒に。
魔獣・魔物の強さを比べることは難しいが、魔石の大きさはその指標になる。一般に、大きな魔石を持つ魔獣・魔物は強いと考えられており、大きな魔石の価値は高い。
ツイバルドの魔石は、ここにいる貴族にとってもよく知るゴブリンやオーク、グレートボアの魔石に比べれば当然、バイズ公爵家を通して少量だが卸しているファングラヴィットやフォレストタイガーと比べても大きい。
当然、これを見ていた貴族の目は驚きに見開いていた。
「これは、大層な物をいただきまして、ありがとうございます。さぁ、どうぞ中へ」
ラムスさんがどうにか言葉をひねり出し、僕とポーラに中へ入るよう促してくれた。
それを見て、執事の1人が前に出て・・・って、僕とポーラがガッドにいるときに主に教師役としていろいろ教えてくれたグレイさんだった。
「どうぞこちらへ」
グレイさんに案内され、2人で会場へと入る。
フォブスとノリスは、出迎えのために玄関に残るようだ。とはいえ、こういったパーティーには、爵位の低い者が先に入り、高い者は後半に入るというマナーがある。僕たちは大公家ではあるが、僕らは当主ではないので、上位の伯爵家が来るであろう時間に合わせて屋敷に到着した。
なので、まだ伯爵家が少しと侯爵家の人たちは中に入ってはいない。といっても到着はしだしているので、出迎えも直に終わると思う。
少し進んだところで、
「カイト様、ポーラ様。ご無沙汰しております。ご壮健で何よりにございます」
「こちらこそ、お久しぶりです」
「本日は出席者が多いですが、ガッドでお教えしたことを胸に、パーティーを楽しんでくさいませ」
と、ガッドでの教師の顔を一瞬戻して微笑むグレイさん。僕はそれほどだったが、フォブスとポーラがよく怒られていたのを思い出し、笑ってしまった。
「それでは、こちらになります。お食事は壁際に。お飲み物は壁際のテーブルにも並んでおりますが、中にいるメイドにお申し付けくだされば、お持ちいたします」
「分かりました」
「それでは、失礼いたします」
会釈し玄関へと戻るグレイさんを見送り、僕たちは会場へと入った。
807
お気に入りに追加
4,295
あなたにおすすめの小説
令嬢に転生してよかった!〜婚約者を取られても強く生きます。〜
三月べに
ファンタジー
令嬢に転生してよかった〜!!!
素朴な令嬢に婚約者である王子を取られたショックで学園を飛び出したが、前世の記憶を思い出す。
少女漫画や小説大好き人間だった前世。
転生先は、魔法溢れるファンタジーな世界だった。リディーは十分すぎるほど愛されて育ったことに喜ぶも、婚約破棄の事実を知った家族の反応と、貴族内の自分の立場の危うさを恐れる。
そして家出を決意。そのまま旅をしながら、冒険者になるリディーだったのだが?
【連載再開しました! 二章 冒険編。】
スキルが農業と豊穣だったので追放されました~辺境伯令嬢はおひとり様を満喫しています~
白雪の雫
ファンタジー
「アールマティ、当主の名において穀潰しのお前を追放する!」
マッスル王国のストロング辺境伯家は【軍神】【武神】【戦神】【剣聖】【剣豪】といった戦闘に関するスキルを神より授かるからなのか、代々優れた軍人・武人を輩出してきた家柄だ。
そんな家に産まれたからなのか、ストロング家の者は【力こそ正義】と言わんばかりに見事なまでに脳筋思考の持ち主だった。
だが、この世には例外というものがある。
ストロング家の次女であるアールマティだ。
実はアールマティ、日本人として生きていた前世の記憶を持っているのだが、その事を話せば病院に送られてしまうという恐怖があるからなのか誰にも打ち明けていない。
そんなアールマティが授かったスキルは【農業】と【豊穣】
戦いに役に立たないスキルという事で、アールマティは父からストロング家追放を宣告されたのだ。
「仰せのままに」
父の言葉に頭を下げた後、屋敷を出て行こうとしているアールマティを母と兄弟姉妹、そして家令と使用人達までもが嘲笑いながら罵っている。
「食糧と食料って人間の生命活動に置いて一番大事なことなのに・・・」
脳筋に何を言っても無駄だと子供の頃から悟っていたアールマティは他国へと亡命する。
アールマティが森の奥でおひとり様を満喫している頃
ストロング領は大飢饉となっていた。
農業系のゲームをやっていた時に思い付いた話です。
主人公のスキルはゲームがベースになっているので、作物が実るのに時間を要しないし、追放された後は現代的な暮らしをしているという実にご都合主義です。
短い話という理由で色々深く考えた話ではないからツッコミどころ満載です。
魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します
怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。
本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。
彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。
世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。
喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。
異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい
ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。
強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。
ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。
【本編完結】転生令嬢は自覚なしに無双する
ベル
ファンタジー
ふと目を開けると、私は7歳くらいの女の子の姿になっていた。
きらびやかな装飾が施された部屋に、ふかふかのベット。忠実な使用人に溺愛する両親と兄。
私は戸惑いながら鏡に映る顔に驚愕することになる。
この顔って、マルスティア伯爵令嬢の幼少期じゃない?
私さっきまで確か映画館にいたはずなんだけど、どうして見ていた映画の中の脇役になってしまっているの?!
映画化された漫画の物語の中に転生してしまった女の子が、実はとてつもない魔力を隠し持った裏ボスキャラであることを自覚しないまま、どんどん怪物を倒して無双していくお話。
設定はゆるいです
悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます
綾月百花
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。
異世界に召喚されたけど、聖女じゃないから用はない? それじゃあ、好き勝手させてもらいます!
明衣令央
ファンタジー
糸井織絵は、ある日、オブルリヒト王国が行った聖女召喚の儀に巻き込まれ、異世界ルリアルークへと飛ばされてしまう。
一緒に召喚された、若く美しい女が聖女――織絵は召喚の儀に巻き込まれた年増の豚女として不遇な扱いを受けたが、元スマホケースのハリネズミのぬいぐるみであるサーチートと共に、オブルリヒト王女ユリアナに保護され、聖女の力を開花させる。
だが、オブルリヒト王国の王子ジュニアスは、追い出した織絵にも聖女の可能性があるとして、織絵を連れ戻しに来た。
そして、異世界転移状態から正式に異世界転生した織絵は、若く美しい姿へと生まれ変わる。
この物語は、聖女召喚の儀に巻き込まれ、異世界転移後、新たに転生した一人の元おばさんの聖女が、相棒の元スマホケースのハリネズミと楽しく無双していく、恋と冒険の物語。
2022.9.7 話が少し進みましたので、内容紹介を変更しました。その都度変更していきます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる