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第1話 立松千宙(13歳)の日記=梅枝七海(13歳)
〈9月14日〉学校で性教育を受ける
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#今日の午後に性教育講座が開かれ、小学校の時とは違い男女一緒に話を聴いた。騒いでいるのは男子ばかりで、女子は男子の幼稚さにあきれていた。男女の生殖器の違いから始まり、性衝動や避妊についての話だった。5月の保健委員のアンケートの分析もされ、お互いの人権どうこうで締めくくられた。
性器の違いは分かっていたし、女性の膣、子宮の構造図は何回か目にしている。性衝動は思春期ホルモンの分泌で起こるらしく、異性とキスやセックスをしたくなるのは当たり前の欲求らしい。七海はどんな顔をして聴いているのか気になって探してみたが、見つけられなかった。七海はセックスについてどこまで知っているのか、性衝動があるのかなど気掛かりだ。#
七海と千宙は、夏休み中に何回か会っていた。部活後に一緒に帰ったり、休みの日に街に出掛けたり、仲むつまじく過ごした。9月の始業式には登校デートも再開し、二人の仲は順調に進んでいた。
「立松君とは、うまくやってる?」と言ってきたのは、初絵だった。続けて「それで、進んだの?」と訊かれ、七海は「まあ、ぼちぼちかな。手はつなぐようになったよ。」と答えた。初絵はその答えに不服らしく、疑うような目を向けていた。
「それだけ?付き合って半年か、まだ七海はお子ちゃまだから仕方ないか!ついでに報告しておくけど、わたしは黒岩君と付き合い始めたの。」
☆七海☆突然の報告に驚き、しかも相手が黒岩君だと聞き、私は心配を隠せなかった。黒岩聖太は千宙と同じサッカー部で、夏休みの初めに試合を観に行った時、初絵が見初めた隣のクラスの男子だった。その時に情報を求められ、千宙に何気なく訊いた事があった。それによると、中学生になってから二人の女の子と付き合っていたが別れ、今は女子高生と付き合っていると言っていた。その相手とどうなっているのかは知らないが、言える範囲の情報を初絵には伝えておいた。☆☆☆☆☆
七海は性教育講座が以前は苦手で、男子の性器や性行為についての話が嫌だった。自分にはまだ先の話だと思っていたが、千宙と付き合い出して性への関心を示すようになっていた。周りからはどこまで進んだとか、初絵からは「お子ちゃま」だとか言われて、自分がどうしたいのかが分からなかった。
☆七海☆男子の突き出た部分と、女子の窪んだ部分を結合させるのがセックスだという事は知っている。子供を作るためだというのは分かるが、なぜそのためでなく恋人同士がやるのか、どういう風にやるのか、具体的には教えてくれない。後は、自分で考えて試してみろという事なのか。千宙君はどう思って聴いているのか、わたしとセックスしたいと思っているのか、疑問ばかりがふくらむ。☆☆☆☆☆
性教育があった翌朝、二人はその話題を口にする事もなく、モヤモヤした気持ちのままで学校に向かった。2学期の中間試験の勉強を、今度は七海の家でする約束をその時にしていた。そして、テストの後には林間学校が予定されていた。
性器の違いは分かっていたし、女性の膣、子宮の構造図は何回か目にしている。性衝動は思春期ホルモンの分泌で起こるらしく、異性とキスやセックスをしたくなるのは当たり前の欲求らしい。七海はどんな顔をして聴いているのか気になって探してみたが、見つけられなかった。七海はセックスについてどこまで知っているのか、性衝動があるのかなど気掛かりだ。#
七海と千宙は、夏休み中に何回か会っていた。部活後に一緒に帰ったり、休みの日に街に出掛けたり、仲むつまじく過ごした。9月の始業式には登校デートも再開し、二人の仲は順調に進んでいた。
「立松君とは、うまくやってる?」と言ってきたのは、初絵だった。続けて「それで、進んだの?」と訊かれ、七海は「まあ、ぼちぼちかな。手はつなぐようになったよ。」と答えた。初絵はその答えに不服らしく、疑うような目を向けていた。
「それだけ?付き合って半年か、まだ七海はお子ちゃまだから仕方ないか!ついでに報告しておくけど、わたしは黒岩君と付き合い始めたの。」
☆七海☆突然の報告に驚き、しかも相手が黒岩君だと聞き、私は心配を隠せなかった。黒岩聖太は千宙と同じサッカー部で、夏休みの初めに試合を観に行った時、初絵が見初めた隣のクラスの男子だった。その時に情報を求められ、千宙に何気なく訊いた事があった。それによると、中学生になってから二人の女の子と付き合っていたが別れ、今は女子高生と付き合っていると言っていた。その相手とどうなっているのかは知らないが、言える範囲の情報を初絵には伝えておいた。☆☆☆☆☆
七海は性教育講座が以前は苦手で、男子の性器や性行為についての話が嫌だった。自分にはまだ先の話だと思っていたが、千宙と付き合い出して性への関心を示すようになっていた。周りからはどこまで進んだとか、初絵からは「お子ちゃま」だとか言われて、自分がどうしたいのかが分からなかった。
☆七海☆男子の突き出た部分と、女子の窪んだ部分を結合させるのがセックスだという事は知っている。子供を作るためだというのは分かるが、なぜそのためでなく恋人同士がやるのか、どういう風にやるのか、具体的には教えてくれない。後は、自分で考えて試してみろという事なのか。千宙君はどう思って聴いているのか、わたしとセックスしたいと思っているのか、疑問ばかりがふくらむ。☆☆☆☆☆
性教育があった翌朝、二人はその話題を口にする事もなく、モヤモヤした気持ちのままで学校に向かった。2学期の中間試験の勉強を、今度は七海の家でする約束をその時にしていた。そして、テストの後には林間学校が予定されていた。
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