少女たちの春【隠し言】私たちの24歳

秋 夕紀

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24歳の花純の隠し事

6 体を彼に委ねて

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 夏合宿でキスを許してから、彼との関係はより深まりました。校内では知らん顔をしていましたが、その振舞いが返って二人の関係をあらわにしていました。そして、冬休みには、私の一人暮らしの部屋に彼が来るようになっていました。
「花純を抱きたい!まだ駄目なのかな?」と彼はキスをしながら言いました。
「前にも言ったけど、私は結婚するまではしたくないの!それに、そんな事をして、生徒の前でどういう顔をしたら良いか分からないよ。」
 一緒に食事をした後、いつものように彼の手による愛撫を受けていました。彼の欲望を満たすために、キスの延長行為として上半身に触る事は許していました。そうは言っても、繰り返す内に当然エスカレートしていきました。その日も、彼の手は上半身だけに留まらず、私の大事な部分に達していました。
「花純のおっぱいを吸いたいな!触るだけで我慢できない。見るのも駄目?」
「変な事言わないでください。これでも精一杯の配慮なんですよ!」と突き放し、女になりつつある自分もおさえ込んでいました。先への期待はあるものの、それと同時に怖さはぬぐえず、結婚まではというけじめを付ける事で、自分にブレーキを掛けていたのです。
 彼の煙草臭いキスにも慣れ、舌で口の中をこねくり回すキスに感じていて、彼の手がジャージのゴムをくぐり、パンティーの中に入り込んでいる事に気付きませんでした。股の辺りにくすぐったさを感じ、あわてて彼の手を制しましたが、鍛えた太い腕は押しても引いても動きませんでした。
「ちょっと止めてください!それは反則じゃぁ…駄目ですって!」
「気持ち良くない?男に触られるのは初めて?自分でもこういうことを、したことないのかな?俺のテクで、もっと感じさせてやるよ!」
 彼の獣の本性が見え隠れしていましたが、その時の私は、それに気が付きませんでした。ただ今を逃れたい一心で、彼を説得し続けました。
「お願いします。今日はここまでにして!その時が来たら、私も抱かれる覚悟ができるから、それまで待ってほしいの。」
 彼の手は渋々私の股間から引き揚げ、その代わりに胸を直に触ってきました。我慢して引き下がってくれた彼に申し訳なく、そのまま胸への愛撫を受けていました。彼の手が小さいおっぱいを包んではんで、指で乳首をままれた時には、私はたまらずにっていました。

 男の人に身をゆだね、感じている自分が信じられませんでした。一方で彼の欲求にも応えねばならず、どうすれば良いのか迷っていました。そこで、兄と結婚して義理の姉になった真莉愛まりあに、友達として相談しました。
「花純もそういう相手ができたんだね。安心したよ。その人のこと、好きなんでしょ。だったら、ためらってないで自分から飛び込みなよ。その人だって、我慢できずに浮気するかもよ。」
 彼女は真から喜んでくれて、彼女らしいアドバイスをしてくれました。そして、用心深い私を気遣って、忠告も忘れていませんでした。
「その人は、30歳になるんだよね。女性関係はどうなの、前の彼女とか、まさか不倫じゃないと思うけど、過去の恋愛について話した事はあるの?」
「ないよ!何かきづらいし、訊いても答えてくれなさそうだし。」
 確かに、私は彼の事をあまり知りませんでした。私が恋愛に対して奥手であるがゆえ、彼の恋愛にはあまり関心がありませんでした。私達が交際している事は隠していたため、周りの先生たちからも話を聞く事もなく、噂も耳には届いてきませんでした。
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