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24歳の花純の隠し事
5 キスを迫られて
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3月には採用先の学校も決まり、私は東京の中学校、明治君は実家がある金沢に帰る事になりました。彼の引っ越しの日に手伝いに行き、あれ以来はっきりしない彼に別れを告げました。心の中では告白を待っていましたが、彼からは何もありませんでした。
中学校の教員になって一人暮らしを始め、2年が経ちました。1年目は研修や教材研究、部活動に追われ、恋愛などしている暇はないと思っていました。
2年目になって、同僚の体育教師で、5歳年上の臼田一史に交際を申し込まれました。バレーボールが専門で、私がその副顧問になった事がきっかけでした。放課後の練習や休日も練習試合があり、ほぼ毎日のように一緒に行動する内に、意識するようになったようでした。私は彼に特別な感情はなく交際を断りましたが、食事に誘われたり飲みに連れて行かれたりして、事実上付き合い始めていました。
「臼田先生、私は同じ部の顧問としてお付き合いしてるだけで、生徒達の噂になる前に、もう誘わないでください。」
「坂上先生は、僕が嫌いですか?僕は好きです!先生の思いやりのある生徒への接し方、優しく微笑む顔がたまらなく好きなんです。」
彼が繰り返す好きだという言葉に誠実さを感じるようになり、次第に魅かれていきました。半年後の夏休みには、学校の近隣を避けてデートするようになりました。山中湖にドライブに行った日に湖畔で、
「坂上先生、花純と呼んで良いですか?僕のことも一史と呼んで下さい。」
「それはちょっと…。恋人でもないし、先生は先生だから。」という私の顎を引き寄せて、彼がキスを迫ってきました。こうなる事は予期していましたがまだ怖くて、私は片手で自分の口を、片手で彼の顔を遠ざけていました。
「花純、可愛いな!キスしたことないの?女子高生みたいだね。」
「失礼な!キスぐらい、したことありますよ。先生とはしないということです。」
「そうか、今日は止めとこうか。また今度ね。」
そう言って、彼はすんなりと引き下がりました。
数日後に女子バレー部の夏合宿があり、昼の練習が終わり、夜になって打ち合わせという事で彼の部屋に呼ばれました。明日の練習メニューを作り終え、部屋を出ようとすると呼び止められました。私を後ろから抱き締め、向きを変えてキスをしてきました。決して無理矢理のキスではなく、私も納得してそれに応じました。ただ、彼の顔が近付いた時、煙草の匂いが気になって仕方ありませんでした。
中学校の教員になって一人暮らしを始め、2年が経ちました。1年目は研修や教材研究、部活動に追われ、恋愛などしている暇はないと思っていました。
2年目になって、同僚の体育教師で、5歳年上の臼田一史に交際を申し込まれました。バレーボールが専門で、私がその副顧問になった事がきっかけでした。放課後の練習や休日も練習試合があり、ほぼ毎日のように一緒に行動する内に、意識するようになったようでした。私は彼に特別な感情はなく交際を断りましたが、食事に誘われたり飲みに連れて行かれたりして、事実上付き合い始めていました。
「臼田先生、私は同じ部の顧問としてお付き合いしてるだけで、生徒達の噂になる前に、もう誘わないでください。」
「坂上先生は、僕が嫌いですか?僕は好きです!先生の思いやりのある生徒への接し方、優しく微笑む顔がたまらなく好きなんです。」
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「それはちょっと…。恋人でもないし、先生は先生だから。」という私の顎を引き寄せて、彼がキスを迫ってきました。こうなる事は予期していましたがまだ怖くて、私は片手で自分の口を、片手で彼の顔を遠ざけていました。
「花純、可愛いな!キスしたことないの?女子高生みたいだね。」
「失礼な!キスぐらい、したことありますよ。先生とはしないということです。」
「そうか、今日は止めとこうか。また今度ね。」
そう言って、彼はすんなりと引き下がりました。
数日後に女子バレー部の夏合宿があり、昼の練習が終わり、夜になって打ち合わせという事で彼の部屋に呼ばれました。明日の練習メニューを作り終え、部屋を出ようとすると呼び止められました。私を後ろから抱き締め、向きを変えてキスをしてきました。決して無理矢理のキスではなく、私も納得してそれに応じました。ただ、彼の顔が近付いた時、煙草の匂いが気になって仕方ありませんでした。
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