上 下
93 / 95
第17章 もうひとつの初めて(番外編)

7 茜の告白

しおりを挟む
 真斗が身体を離そうとすると、茜はしがみ付いたままで離れようとしなかった。真斗は仕方なく、入れたままで彼女を下にして余韻を楽しんだ。
「茜、大丈夫だった?」真斗の言葉に、茜は力を抜いて答えた。
「大丈夫じゃないよ!男の人は凄いね。真斗、ずっと大好きだよ。私、愛されているの?」
「俺も、茜が大切で、大好き!愛していると、正直に言えるのは初めてだよ。」
~茜~真斗が私の元に帰って来た。心も身体も一つになれた。パパ、ママごめん
  なさい。私は真斗のものになったよ。随分時間が掛かったけど、これで良かっ
  たのかもしれない。もう手放さないから。

 真斗は茜から離れ、茜の愛しい部分をティッシュでいてやった。茜は恥ずかしそうに身をくねらせていたが、出血はなかったようだ。二人は裸のまま布団の中で、指を絡めて横になっていた。茜が思い切ったように、言葉を発した。
「私どうだった?真斗の欲望は満足できた?愛海のことを思い出さなかった?」
「何でそんなことを言うの?茜はSだよね。思い出す訳がないよ。茜とは心が繋がって身体が繋がっていたから、すごく気持ちが良かった。愛海とはこんなにならなかったよ。もっと早く、茜とこうなりたかった。」真斗は正直に答えていた。
「実はさ、真斗に愛海を紹介したのは、私の誤算だった。まさか真斗と彼女が結ばれるとは思っていなかったんだよね。」茜の告白じみた言葉に、真斗は動揺していた。
~真斗~茜は何を言い出すんだろう。愛海との事を気にしているのかな。最後の
   ホテルの事はばれていないはずだし、その前の中出しか?妊娠しなくて良
   かった。

「前にも話したけど、愛海を紹介したのは、真ちゃんをあきらめようと思ったからだよ。あの時の愛海は男子に嫌悪感を抱いていて、臆病だったの。その原因は、中学の時に信頼していた男に無理矢理キスされたことにあったみたい。」真斗が口をはさんだ。
「それって瑛士とかいう奴か?愛海がお兄ちゃんとか、呼んでいたよね。」
「知っているんだ。この間も東京に行った時に、案内してもらったんだけど、夜にホテルに来て愛海を強姦しようとしたんだよ。とんでもない奴でしょ。」
「それは聞いてない。茜は大丈夫というか、部屋にいなかったの?」茜は困っていた。
「そこに当然話が行くよね。真斗には隠さず話すよ。」茜は覚悟を決めて、その夜に英之と会っていた事、再度振られた事を話した。
「なぜ会ったかと言うと、行きの電車の中で愛海の相談に乗っていて、真斗にもその前に説教みたいな事をしていて、自分自身が嫌になったんだよ。二人の取り持ちをした責任はあるけど、馬鹿らしくなって、私も英之とよりを戻そうとしたの。でも、また振られて、みじめだった。」
「分かるような気がする。俺がもっと茜に目を向けるべきだった。」
~茜~そうだよ、真斗がいけないんだよ。二人でとっとと初体験を済ませて、私だ
  け処女のまま。あの時、本当は先輩に抱かれに行ったんだよ。失敗したけど。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

とある高校の淫らで背徳的な日常

神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。 クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。 後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。 ノクターンとかにもある お気に入りをしてくれると喜ぶ。 感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。 してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

処理中です...