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第12章 初めての欲求
2 鎌倉デート
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最上級生として新入生を迎え、吹奏楽部は前にも増して忙しかった。後輩の仲尾梨沙は、2年生になって退部していた。詳しくは分からないが、妊娠したとかしないとか、噂が流れていた。真斗も最後のインターハイを目指して頑張っていた。
愛海は真斗と会えない日が何日も続いたが、勉強も取り返そうと必死になっていたし、後輩の指導にも忙しく、それ程寂しさは感じなくなっていた。真斗から連絡があったのは、5月の連休が終わろうとしている時だった。テニスの大会がすべて終わって部活を引退した事、連休最後にデートしようという事だった。行先は鎌倉になった。
「愛海、今日は雰囲気が違うね。似合ってるよ。」と真斗が笑顔で言った。
「ありがとう。おしゃれしてきちゃった。」久しぶりのデートに、愛海は気合が入っていた。ニットのセーターにミニのタイトスカートを着て、マスカラに薄いピンクのリップクリームを塗っていた。真斗はプリント地のシャツに、チノパンをはいていた。電車を乗り継いで、逗子駅で横須賀線に乗り換え、北鎌倉駅に10時前に着いた。
北鎌倉駅から、二人は手を繋いで円覚寺、明月院と廻った。紫陽花の季節にはまだ早過ぎて咲いていなかったが、新緑が鮮やかで癒された。途中にあるカフェで食べたくず餅は美味しかった。
「次はどこへ行こうか。真斗は行きたい所ないの?」
「愛海の行きたい所でいいよ。」真斗はあまり関心なさそうに言った。
鎌倉駅に戻り、江ノ電に乗る事にした。二人で相談しながら歩き廻る事の楽しさを、愛海は満喫していた。行先は長谷駅に決め、高徳院の大仏を観に行った。連休とあって、電車は混んでいるし、人込みも尋常ではなかった。張り切り過ぎてすっかり疲れてしまい、海岸で休もうという事になった。長谷駅から電車に乗り稲村ケ崎駅で降り、海浜公園へ向かった。公園からは江の島の後ろに富士山が見え、愛海は感動して真斗の腕にしがみついていた。真斗は私を抱き留めて、海辺まで歩いて行き砂浜に腰を下ろした。スカートが短すぎて気になったが、脚を伸ばして真斗に寄り掛かっていた。真斗は私の肩を抱いて引き寄せ、キスをしてきた。
「こうしていると、沖縄の砂浜の事を思い出すね。あの時は夜だったけど、ここの夕焼けもきれいだろうね。」愛海は思い出に浸っていたが、真斗の、
「夕焼けまでいたら帰りが遅くなるよ。」という言葉に、現実に引き戻された。
「真斗は何考えているの?もう帰りたいの?」愛海は頬を膨らませて言った。
「まだ愛海と一緒にいたいよ。どこかで、二人きりになりたいと思っている。」愛海も同じ気持ちだが、そんな所は思い付かない。ここでこうしているだけで、十分幸せだった。
愛海は真斗と会えない日が何日も続いたが、勉強も取り返そうと必死になっていたし、後輩の指導にも忙しく、それ程寂しさは感じなくなっていた。真斗から連絡があったのは、5月の連休が終わろうとしている時だった。テニスの大会がすべて終わって部活を引退した事、連休最後にデートしようという事だった。行先は鎌倉になった。
「愛海、今日は雰囲気が違うね。似合ってるよ。」と真斗が笑顔で言った。
「ありがとう。おしゃれしてきちゃった。」久しぶりのデートに、愛海は気合が入っていた。ニットのセーターにミニのタイトスカートを着て、マスカラに薄いピンクのリップクリームを塗っていた。真斗はプリント地のシャツに、チノパンをはいていた。電車を乗り継いで、逗子駅で横須賀線に乗り換え、北鎌倉駅に10時前に着いた。
北鎌倉駅から、二人は手を繋いで円覚寺、明月院と廻った。紫陽花の季節にはまだ早過ぎて咲いていなかったが、新緑が鮮やかで癒された。途中にあるカフェで食べたくず餅は美味しかった。
「次はどこへ行こうか。真斗は行きたい所ないの?」
「愛海の行きたい所でいいよ。」真斗はあまり関心なさそうに言った。
鎌倉駅に戻り、江ノ電に乗る事にした。二人で相談しながら歩き廻る事の楽しさを、愛海は満喫していた。行先は長谷駅に決め、高徳院の大仏を観に行った。連休とあって、電車は混んでいるし、人込みも尋常ではなかった。張り切り過ぎてすっかり疲れてしまい、海岸で休もうという事になった。長谷駅から電車に乗り稲村ケ崎駅で降り、海浜公園へ向かった。公園からは江の島の後ろに富士山が見え、愛海は感動して真斗の腕にしがみついていた。真斗は私を抱き留めて、海辺まで歩いて行き砂浜に腰を下ろした。スカートが短すぎて気になったが、脚を伸ばして真斗に寄り掛かっていた。真斗は私の肩を抱いて引き寄せ、キスをしてきた。
「こうしていると、沖縄の砂浜の事を思い出すね。あの時は夜だったけど、ここの夕焼けもきれいだろうね。」愛海は思い出に浸っていたが、真斗の、
「夕焼けまでいたら帰りが遅くなるよ。」という言葉に、現実に引き戻された。
「真斗は何考えているの?もう帰りたいの?」愛海は頬を膨らませて言った。
「まだ愛海と一緒にいたいよ。どこかで、二人きりになりたいと思っている。」愛海も同じ気持ちだが、そんな所は思い付かない。ここでこうしているだけで、十分幸せだった。
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