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第3章 初めての動揺
4 茜の助言
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お盆明けに、愛海は茜の家に泊まりに行くために出掛けた。夕方、駅に迎えに来た茜は、Tシャツドレスにサンダルというラフな格好をしていた。家の前まで来ると、「あそこが真斗の家だよ」と茜が指さして言った。
愛海は夏休みの終わりに、真斗の家で一緒に勉強をする約束をしていた。しかし、それを茜には話さずにいた。
家では茜の母親が、手料理でもてなしてくれた。一人っ子の茜と幼馴染の真斗とが小さい頃から仲良かった事を、母親との会話で愛海は知らされた。その後、部屋でゲームをしたりお喋りをしたりして過ごし、二人でお風呂に入った。
「愛海、可愛いおっぱいしているね。触られたことあるの?」愛海が湯船に浸かっていると、茜が突然訊いてきた。
「何、突然の際どい質問は。触られたことはないよ。茜はあるの?」
「そうか、真斗とはまだなんだね。私はね、あるよ。その話はあとでね。」茜は自分で振っておいて、話を終わらせてしまった。
お風呂から上がり、二人で布団に寝そべっていると、茜が話し掛けてきた。
「真斗と海水浴に行ったんでしょ。どうだった?」と訊かれ、愛海は一部始終を話して聞かせた。藤森と梨沙との事を話すと、茜は驚いていた。
「茜はどうなったの?倉橋先輩とは。」茜は布団の上に座り直して話し出した。
「夏休みの練習の後、彼の家に行ったの。家には母親がいたから、一緒にお話しして、しばらくして彼の部屋に行ったの。そこで音楽を聴いたり、話をしたりしていたんだけど、彼がベッドに誘ってきて…。分かるでしょ!イチャイチャとしていたの。もちろん最後まではしてないよ。」茜は思い出しながら平然と話しているが、愛海は頭の中で想像してドギマギしていた。
~愛海~ベッド、イチャイチャ、最後まで。さっきのお風呂の話、おっぱいに触ら
れたという事?それから何したの?裸だったの?
「それで、そんな事をしていたら、いきなり母親が部屋に入ってきたの。びっくりしたのは私たちで、慌ててベッドから出て、それからが大変だった。英之は受験だから、二度と会わないようにと言われて、それきり会ってない。」と言う茜は、薄っすらと涙を浮かべていた。愛海は慰める言葉も思いつかず、頷くばかりだった。茜は「聞いてくれてありがとう」と愛海に感謝していた。
「茜はすごいね。自分の気持ちに正直に行動できて羨ましいよ。私なんか手を繋いでドキドキして、肩を抱かれるまでにどんなに時間が掛かったか。この先、茜がしてきたようなことができるのかな。もちろん真斗とだけれど、私のこんな態度に真斗は気を悪くしていないか心配になってくる。恋って自分だけでなく、相手の気持ちもあるから難しいよね。」布団に俯せになって聞いていた茜は、愛海の方に向き直って、
「愛海は恋に臆病なんだよ。私だって、キスはドキドキだし、進んでいくのが怖かった。でも、好きな彼が求める事だから、相手を信じて受けてきた。その結末があれだけどね。悲しい想いをする時もあるさ。ただ、焦る事はないと思うよ。真斗も分かっていると思う。愛海が心から求めるようになるのが大事だよ。男の子もそれを感じて、応えてくれる。頭で考えるのと、心で思うのとは違うと思う。頭ばかりで考えていると臆病になるから、心で思った事を行動に移す事かな。」と助言めいた事を言った。
~愛海~茜は心に忠実だ。倉橋先輩の思いを受け入れて、求めに応じた結果だった。
恋する先にはキスがあり、それ以上の事も求められる。心の繋がりだけでは満
たされない思いを、身体に求めていく。茜はそれを受け入れていった。私はど
うしても頭で考えてしまう。
茜のアドバイスは的確で、納得しながらいつの間にか眠りに就いていた。
翌朝、愛海は朝ご飯をいただいて、茜と一緒に街に出て、ショッピングを楽しんだ。昨夜の事は、お互い一切口にすることはなかったが、夜の暗闇の中で、愛海の中に素直な自分が現れたのも茜の御蔭だった。
愛海は夏休みの終わりに、真斗の家で一緒に勉強をする約束をしていた。しかし、それを茜には話さずにいた。
家では茜の母親が、手料理でもてなしてくれた。一人っ子の茜と幼馴染の真斗とが小さい頃から仲良かった事を、母親との会話で愛海は知らされた。その後、部屋でゲームをしたりお喋りをしたりして過ごし、二人でお風呂に入った。
「愛海、可愛いおっぱいしているね。触られたことあるの?」愛海が湯船に浸かっていると、茜が突然訊いてきた。
「何、突然の際どい質問は。触られたことはないよ。茜はあるの?」
「そうか、真斗とはまだなんだね。私はね、あるよ。その話はあとでね。」茜は自分で振っておいて、話を終わらせてしまった。
お風呂から上がり、二人で布団に寝そべっていると、茜が話し掛けてきた。
「真斗と海水浴に行ったんでしょ。どうだった?」と訊かれ、愛海は一部始終を話して聞かせた。藤森と梨沙との事を話すと、茜は驚いていた。
「茜はどうなったの?倉橋先輩とは。」茜は布団の上に座り直して話し出した。
「夏休みの練習の後、彼の家に行ったの。家には母親がいたから、一緒にお話しして、しばらくして彼の部屋に行ったの。そこで音楽を聴いたり、話をしたりしていたんだけど、彼がベッドに誘ってきて…。分かるでしょ!イチャイチャとしていたの。もちろん最後まではしてないよ。」茜は思い出しながら平然と話しているが、愛海は頭の中で想像してドギマギしていた。
~愛海~ベッド、イチャイチャ、最後まで。さっきのお風呂の話、おっぱいに触ら
れたという事?それから何したの?裸だったの?
「それで、そんな事をしていたら、いきなり母親が部屋に入ってきたの。びっくりしたのは私たちで、慌ててベッドから出て、それからが大変だった。英之は受験だから、二度と会わないようにと言われて、それきり会ってない。」と言う茜は、薄っすらと涙を浮かべていた。愛海は慰める言葉も思いつかず、頷くばかりだった。茜は「聞いてくれてありがとう」と愛海に感謝していた。
「茜はすごいね。自分の気持ちに正直に行動できて羨ましいよ。私なんか手を繋いでドキドキして、肩を抱かれるまでにどんなに時間が掛かったか。この先、茜がしてきたようなことができるのかな。もちろん真斗とだけれど、私のこんな態度に真斗は気を悪くしていないか心配になってくる。恋って自分だけでなく、相手の気持ちもあるから難しいよね。」布団に俯せになって聞いていた茜は、愛海の方に向き直って、
「愛海は恋に臆病なんだよ。私だって、キスはドキドキだし、進んでいくのが怖かった。でも、好きな彼が求める事だから、相手を信じて受けてきた。その結末があれだけどね。悲しい想いをする時もあるさ。ただ、焦る事はないと思うよ。真斗も分かっていると思う。愛海が心から求めるようになるのが大事だよ。男の子もそれを感じて、応えてくれる。頭で考えるのと、心で思うのとは違うと思う。頭ばかりで考えていると臆病になるから、心で思った事を行動に移す事かな。」と助言めいた事を言った。
~愛海~茜は心に忠実だ。倉橋先輩の思いを受け入れて、求めに応じた結果だった。
恋する先にはキスがあり、それ以上の事も求められる。心の繋がりだけでは満
たされない思いを、身体に求めていく。茜はそれを受け入れていった。私はど
うしても頭で考えてしまう。
茜のアドバイスは的確で、納得しながらいつの間にか眠りに就いていた。
翌朝、愛海は朝ご飯をいただいて、茜と一緒に街に出て、ショッピングを楽しんだ。昨夜の事は、お互い一切口にすることはなかったが、夜の暗闇の中で、愛海の中に素直な自分が現れたのも茜の御蔭だった。
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