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第4章 初めてのキス

3 キスの余韻

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 家に着いたのは、もう7時近かった。母親に遅くなった事を問いめられ、愛海は母親の顔をなるべく見ないようにして自分の部屋に入った。
~愛海~キスしたのがばれるかと思って、ドキドキした。大人ってこんな時どう
   するのだろう。キスしたり抱き合ったりして、その後何もなかったかのよ
   うに、平気な顔をして過ごしている。今の私は、顔にも態度にも出てしま
   いそうだ。

 妹の彩海あやみが部屋に入って来て、
「お姉ちゃん、勉強は進んだの?アタシ知ってるよ、真斗君とでしょ。」愛海は何で彼氏の名前まで知っているのかと思ったが、
「進んだわよ。彩海こそ宿題終わったの?」と返した。
「いいな、勉強よりもほかの事が進んだりして…キスした?」彩海の鋭い質問に、愛海は顔を赤くしていた。
 食事の間、愛海は会話も上の空で、家族の顔をろくに見る事ができなかった。
~愛海~妹の洞察は侮れないが、ママも何か気が付いているみたいだ。

 愛海は居づらくなって、早々に部屋に引き上げた。スマホには、真斗からメールが来ていた。
〈今日は楽しかったよ。二人だけの秘密ができたね。すぐにでも逢いたい〉
これまでにないラブコールで、愛海はどきっとした。
〈今日はありがとう。真斗が近くなったような気がするよ。うれしかった〉とわざと冷静さをよそおって返した。
 ベッドに入っても、なかなか寝付けなかった。
~愛海~真斗に肩を抱かれてキスされて、私はそれを待っていた。真斗の唇が触
   れてきた時は、頭の中が変になりそうだった。真斗に逢いたい。優しく触
   れられたい。真斗の手が胸を触ったら、どんな気持ちかな。

 彼と彼女の関係、恋愛のスタート地点でまごまごしていた二人は、一つ目のハードルを超えた。自分の手で胸を抱きながら、愛海は眠りに付いた。
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