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第4章 梅枝七海(17歳)=白石冬馬(17歳)
§3 恋愛感情の誤解
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新学期になって、七海が久し振りに学校へ行くと、朝から花織が待ち構えていた。1カ月前の彼女と比べて、大人っぽくなったと七海は直感した。
「七海には報告したいことがいっぱいあって、夏休みの終わり、金澤さんに会いに東京に行ったの。」と聞かされ、私の感は当たっていた。
「それでいろんな所を案内してくれて、とても楽しかった!」と言う彼女に対して、私は尋問した。
「それだけじゃ、ないよね!ほかに何か、言いたいことがあるんでしょ!」
「さすが、七海はごまかせないね。彼の部屋に行って、されちゃった!」
花織は顔を赤く染めていたが、あっけらかんと言い放った。
「それって、エッチしたということ?まだ出会って間もないのに、どうしてそういう展開になるの?信じられない!花織は彼のことが、好きなの?」
「実は泊まる事になって、そこで強引に…。今は後悔してる。」
私はその後の言葉が出なくて、頭の中が混乱していた。強引にという言葉にも引っ掛かったが、出会って2回目ぐらいで男子の部屋に泊まる事が信じられなかった。恋人同士になってもためらいがあるのに、彼女の軽さには飽きれてしまった。
この一件以来、七海は花織と距離を置くようになっていた。放課後は部活動に行き、恒例の文芸誌を発行する準備に入った。七海は自分の事はさておき、花織の恋愛を題材にしようと思っていた。恋に恋する女子が、身勝手な男子に翻弄される姿をテーマに描きたかった。女子の考え方や行動はともかく、男子の事は今一つ理解できなかった。悩んだ末、冬馬と取材を口実に会う約束をし、学校帰りにマックの2階で待ち合わせた。
「梅ちゃんから誘ってくれるなんて、逆立ちして歩きたいくらいに嬉しいよ。それに制服姿を見られるなんて、最高な気分だな。」
相変わらず軽い調子の冬馬君に私は、男子の恋愛心理やそれに伴う欲求について訊きたかったが、どう切り出して良いものか考えていた。
「冬馬君はさ、わたしのことが好きだと言ったけど、どういう好きなの?」
「どういう?それは、付き合いたいという好きかな。」
「そうじゃなくて、例えば、顔とか容姿とかが好きなのか、性格とか心とかいろいろあるでしょ!恋愛対象として、付き合いたいってことなの?」
私は誤解が生じないように、言葉を選んで訊いていた。
「それは恋愛でしょ!中3で転校してきた時から、顔も身体も、性格も好きになって、運命を感じたな!スカートめくりをした時には興奮したし。」
「大袈裟だね。それに冬馬君は正直だね。そういう所は好きだな。」
「えー?俺のことが好きなの?やったー!粘った甲斐があるってもんよ。」
彼を有頂天にさせてしまい、「しまった」と思ったのは言うまでもない。
「私の好きの意味は、友だちとしてだから、勘違いしないようにね!」と釘を刺しておいた。彼の機嫌が良い内にと、恋愛心理の核心に触れた。
「男の子は好きな子と付き合って、どうしたいの?わたしにどうしたいじゃなく、あくまでも一般論で答えてね。」
「そうだな、一緒に歩いたり話したり、食事をしたり遊んだりしたいな。もっと仲良くなれば、手をつないで歩いて、えーと、最終的には…。」
「ストップ!それ以上は言わなくても、分かったから。最終的には…したいんだよね。男の子はそれが目的で、女の子と付き合うの?」
私の辛らつな質問に、彼は黙り込んでしまった。これ以上話を続けると、誤解を生み兼ねないと思っていると、彼は案の定偏った解釈をしていた。
「梅ちゃんが嫌だと言うなら、俺はしないから!友だちの青柳は、相手が嫌がっても強引にすれば大丈夫だと言うけど、俺は違うから!」
「待って!勘違いしないで、さっきも言ったように、私と君のことじゃないからね。冬馬君の気持ちはよく分かったけど、わたしは君に恋愛感情を抱いていないから、本当にごめんなさい。男友だちとして、こうして時々話し相手になってくれればうれしいな!だめかな?」と私は思い切って、本心を伝えた。彼は一点を見つめたままだったが、最後には理解を示してくれた。
「七海には報告したいことがいっぱいあって、夏休みの終わり、金澤さんに会いに東京に行ったの。」と聞かされ、私の感は当たっていた。
「それでいろんな所を案内してくれて、とても楽しかった!」と言う彼女に対して、私は尋問した。
「それだけじゃ、ないよね!ほかに何か、言いたいことがあるんでしょ!」
「さすが、七海はごまかせないね。彼の部屋に行って、されちゃった!」
花織は顔を赤く染めていたが、あっけらかんと言い放った。
「それって、エッチしたということ?まだ出会って間もないのに、どうしてそういう展開になるの?信じられない!花織は彼のことが、好きなの?」
「実は泊まる事になって、そこで強引に…。今は後悔してる。」
私はその後の言葉が出なくて、頭の中が混乱していた。強引にという言葉にも引っ掛かったが、出会って2回目ぐらいで男子の部屋に泊まる事が信じられなかった。恋人同士になってもためらいがあるのに、彼女の軽さには飽きれてしまった。
この一件以来、七海は花織と距離を置くようになっていた。放課後は部活動に行き、恒例の文芸誌を発行する準備に入った。七海は自分の事はさておき、花織の恋愛を題材にしようと思っていた。恋に恋する女子が、身勝手な男子に翻弄される姿をテーマに描きたかった。女子の考え方や行動はともかく、男子の事は今一つ理解できなかった。悩んだ末、冬馬と取材を口実に会う約束をし、学校帰りにマックの2階で待ち合わせた。
「梅ちゃんから誘ってくれるなんて、逆立ちして歩きたいくらいに嬉しいよ。それに制服姿を見られるなんて、最高な気分だな。」
相変わらず軽い調子の冬馬君に私は、男子の恋愛心理やそれに伴う欲求について訊きたかったが、どう切り出して良いものか考えていた。
「冬馬君はさ、わたしのことが好きだと言ったけど、どういう好きなの?」
「どういう?それは、付き合いたいという好きかな。」
「そうじゃなくて、例えば、顔とか容姿とかが好きなのか、性格とか心とかいろいろあるでしょ!恋愛対象として、付き合いたいってことなの?」
私は誤解が生じないように、言葉を選んで訊いていた。
「それは恋愛でしょ!中3で転校してきた時から、顔も身体も、性格も好きになって、運命を感じたな!スカートめくりをした時には興奮したし。」
「大袈裟だね。それに冬馬君は正直だね。そういう所は好きだな。」
「えー?俺のことが好きなの?やったー!粘った甲斐があるってもんよ。」
彼を有頂天にさせてしまい、「しまった」と思ったのは言うまでもない。
「私の好きの意味は、友だちとしてだから、勘違いしないようにね!」と釘を刺しておいた。彼の機嫌が良い内にと、恋愛心理の核心に触れた。
「男の子は好きな子と付き合って、どうしたいの?わたしにどうしたいじゃなく、あくまでも一般論で答えてね。」
「そうだな、一緒に歩いたり話したり、食事をしたり遊んだりしたいな。もっと仲良くなれば、手をつないで歩いて、えーと、最終的には…。」
「ストップ!それ以上は言わなくても、分かったから。最終的には…したいんだよね。男の子はそれが目的で、女の子と付き合うの?」
私の辛らつな質問に、彼は黙り込んでしまった。これ以上話を続けると、誤解を生み兼ねないと思っていると、彼は案の定偏った解釈をしていた。
「梅ちゃんが嫌だと言うなら、俺はしないから!友だちの青柳は、相手が嫌がっても強引にすれば大丈夫だと言うけど、俺は違うから!」
「待って!勘違いしないで、さっきも言ったように、私と君のことじゃないからね。冬馬君の気持ちはよく分かったけど、わたしは君に恋愛感情を抱いていないから、本当にごめんなさい。男友だちとして、こうして時々話し相手になってくれればうれしいな!だめかな?」と私は思い切って、本心を伝えた。彼は一点を見つめたままだったが、最後には理解を示してくれた。
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