初めての物語~First Story~

秋 夕紀

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第十七章 もうひとつの初めて(番外編)

5 結ばれるふたり

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 二人は指と指をからませて手を繋いでホテルに戻り、辺りに気を配りながらエレベーターに乗った。10階の部屋に着くまで、一言も喋らずにいたが手は繋いだままだった。部屋に入りドアを閉めると、真斗は彼女を抱き寄せた。そのままベッドに行こうとしたが、茜からストップが掛かった。
「真ちゃん、焦らないで!私こう見えても、ドキドキなんだからね。まずはシャワーを浴びて、落ち着かせて!」茜は彼から離れ、浴室に向かおうとした。
「俺だって心臓が破裂しそうで、一緒に入っていい?」茜は小さく頷いた。
 ベッドの中でキスをして、その後は真斗がリードしていった。
「真ちゃん、ずっと好きだよ。私、真ちゃんと違って初めてだから、優しくしてね。私に優しくするために、十分勉強してきたでしょ!」
「それは言わない約束でしょ。茜、ずっと好きだった!優しくするからね。」真斗はゆっくりと進めていき、二人はゆっくりと結ばれた。

 翌朝、両親は早く帰るからと言っていたので、二人はのんびりと朝の幸せな時間を過ごした。
「茜、もう真ちゃんって呼ぶのは止めて、真斗でいいよ。これからどうする?」
「真斗!これでいい?これからって、二人のこれからってこと?」
「ああ、それもあるけど、今日のこれからだよ。」茜の思っていた事とは違った。
「今日は元町をぶらぶらして、中華街でお昼を食べよ。それより私達のこれからは、どうするの?真斗の意見を聴きたい。」茜は彼に詰め寄った。
「同じ大学へ行って、恋人同士でいたい。一緒に住みたいけど、すぐには無理だろうな。もし茜が良いなら、大学を出てから結婚したい。」真斗は思い切った。
「いい覚悟だね。そう言ってくれて嬉しいよ。」二人は朝のキスを交わした。
「真斗、愛している!結婚の返事は保留だけど、浮気しそうだよね、真斗は。その時は殺すよ。」茜ははっきりと返事をしなかったが、喜びを隠せなかった。
 
 幼馴染の恋は、成就するまでに長い期間を要した。二人の歩んできた過去を受け入れ、これからの未来を築いていく幸せを、茜と真斗は感じていた。
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みんなの感想(1件)

3110
2020.09.25 3110

番外編読んで真斗と茜がめっちゃ嫌いになりました。
愛海はこいつらのゴタゴタに巻き込まれて傷付けられただけでほんとかわいそう。
それなのに自分を省みて前に進もうとする姿勢は応援したくなる。今度付き合う人は誠実な人だといいな。
バカップルは大学入ってからうまくいかなくなればいーのに。てかなりそう。

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