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第八章 初めてのときめき
2 新たな展開
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部屋に戻って来ると、真斗が私の中学生の時のスクール水着の写真を食い入るように見ていた。「しまった!」と思った時には遅かった。次のページには、お兄ちゃんと二人で浴衣を着て、私が腕にしがみ付いている写真があった。慌てて手で隠そうと身体を真斗にもたせ掛けると、真斗に抱き留められた。私は真斗の方に向き直り、目を閉じて真斗の次の行為を待った。そっと唇が触れてきて、私もそれに応えた。キスをしながら、真斗は私の背中を左手で支えてベッドにそっと横たえた。真斗の手が髪の毛に触れて、
「ねえ、髪を解いてもいい?」と訊いてきた。何を言っているのか分からなかったが、今日はポニーテールにしていたのを思い出した。「いいよ。」と言い終わらない内に髪は解かれていた。こういう展開になることは予想していたが、戸惑っていると、真斗の手は上からゆっくりと何かを確認するかのように、私の身体を下へと辿って行った。飼い慣らされた子犬のように、真斗のぎこちないながらも優しい手の動き、指の動きに従った。
どれくらい時間が経ったか分からなかったが、辺りは薄暗くなっていた。
「まずいよ、そろそろ妹が帰って来るかも。」という私の言葉に、真斗は名残惜しそうに私から離れ、ベッドから起き上がり、着てきたシャツを身に着けた。私もベッドから抜け出して、服を整え黙って洗面所に向かった。
二人でリビングに降りてくると、ちょうど妹の彩海が帰って来た。
「あれ、お姉ちゃん、お客さん?」と言うので、真斗を紹介した。
「お邪魔したみたいで、ごめんなさい。」真斗と彩海は二、三言葉を交わしていたが、妹にこれ以上かかわると危険なので真斗を玄関先で見送った。さっきまでの温もりが消え去り、寂しい思いに駆られた。
「ねえ、髪を解いてもいい?」と訊いてきた。何を言っているのか分からなかったが、今日はポニーテールにしていたのを思い出した。「いいよ。」と言い終わらない内に髪は解かれていた。こういう展開になることは予想していたが、戸惑っていると、真斗の手は上からゆっくりと何かを確認するかのように、私の身体を下へと辿って行った。飼い慣らされた子犬のように、真斗のぎこちないながらも優しい手の動き、指の動きに従った。
どれくらい時間が経ったか分からなかったが、辺りは薄暗くなっていた。
「まずいよ、そろそろ妹が帰って来るかも。」という私の言葉に、真斗は名残惜しそうに私から離れ、ベッドから起き上がり、着てきたシャツを身に着けた。私もベッドから抜け出して、服を整え黙って洗面所に向かった。
二人でリビングに降りてくると、ちょうど妹の彩海が帰って来た。
「あれ、お姉ちゃん、お客さん?」と言うので、真斗を紹介した。
「お邪魔したみたいで、ごめんなさい。」真斗と彩海は二、三言葉を交わしていたが、妹にこれ以上かかわると危険なので真斗を玄関先で見送った。さっきまでの温もりが消え去り、寂しい思いに駆られた。
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