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10 牽制された?なんで?

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休み明けで教室に入るとまたまた席替えがあったようで私はアリスと教室の窓側1番後ろの席で隣同士になっていました。

王太子殿下と王女殿下は隣同士になっていて、私たちと対局の離れた位置だったので正直ホッとしましたの。

ホスト役も語学堪能なマリン様が選ばれたようで、第2王子殿下と隣同士で和やかにお話しされているようだし、ホッと胸を撫で下ろしてアリスとお互いの婚約者の惚気話に花を咲かせていたら、……突然…、目の前に影が…、顔を上げるとそこにはウエーブのかかった真っ赤な髪、勝気な吊り上がったアーモンド型のオレンジ色の瞳に迫力のある豊満ボディ!身長も高めで160センチの私より10センチは高い美女?
(ヴァイオレットの美醜は一般的ではないので補足します…くだんの王女はまぁまぁ美人のダイナマイトボディ?胸はヴァイオレットと大きさは同じくらいだが、小尻のヴァイオレットとは逆に大きなお尻の王女のボディは迫力満点)

「ねぇ、あなたが噂のヴァイオレット様かしら?」

え?噂って?なんですの??全く意味がわからないんですが…。それに…できれば関わりたくありませんのに、……

「え?噂ですか?どんな噂かは分かりかねますが…、…お初にお目にかかります。王女殿下、私はヴァイオレット=ゴールディと申します。」

面倒だと思いながら、相手は王族ここは教室ですがきちんと私はカーテシーで挨拶した。

「ふん、私はアレクサンドル様の婚約者のアマリリス=クローバーよ!いいこと!今後は私の婚約者に近づかないようにしてちょうだい!いいわね!」

近づくも何も挨拶程度しか話した事ないのですが……言いがかりもいいとこです。はぁ、

「ご婚約おめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。」

「ふん、噂より大した事ないわね、こんな華奢な女鶏ガラみたいな女じゃ、遊び相手にすらならないわね…クス」

と、鶏ガラって失礼しちゃう!確かに手足は…細い…かも…でも、お胸は…大きくて綺麗だって…エメル様が言ってくれたもん!華奢かもしれないけど、最近はたくさん食べてるから…鶏ガラじゃないもん…。

慌てて、王太子殿下がやってきて、アマリリス王女殿下を連れて行った。

面倒去ってまた面倒……今度は…、もう、ほっといて欲しいです。

「ごめんねぇ、妹が失礼なこと言って、王太子殿下の想い人と噂の君があまりに綺麗だから、嫉妬しただけだよ、アマリリスは婚約したばかりで不安だったんだよ、許してね!」

軽い口調で第2王子殿下が話しかけてきたが、正直どうでもいいです、ど、う、で、も。


「い、いえ、お気になさらないでください、それに私は王太子殿下とは挨拶程度しかお話ししたことありませんし想い人ではありませんよ、…それに私には愛する婚約者もいますのでご心配には及びませんよ」

「えー、婚約者がいるのー!残念、君の噂は聞いていたから是非私の婚約者になって欲しいと思っていたけど…一足遅かったのかー」

さっきから噂噂って、やめて欲しいですし冗談は顔だけにして欲しいです。大きい声で言うもんだから、ザワザワと、周りがざわめきだしましたよ、私に婚約者ができたことがそんなに驚くことですの?

「相思相愛ですのよ、卒業と同時に結婚しますのよ。今から楽しみにしておりますの」

エメル様を思い頬が緩みテレっとなってしまう。

「レティ、その顔はダメよ、エメル様以外に見せてはダメよ!全く!」

「え?何がですの?そんなに変な顔してましたの?」

「そうじゃないわ、……もう、いいわ、とにかくこっちにきて……、第2王子殿下お話中失礼します。もうすぐ授業が始まってしまいますので席にお戻りになられた方がよろしいかと、それと今後は彼女も私も婚約者がいる身ですので接触はお控えくださることをお願いいたします。参考までに私の婚約者はグレン=ストロングラム公爵で私と親友であるヴァイオレット様を事のほか大事にされていますので行動にはお気をつけくださいませね。」

「……あの鬼神が……婚約者?……ああ、肝に銘じておくよ」

まぁ、さすがストロングラム公爵様ですのね、猛然と剣を振るう姿は鬼神の如く、その強さはクローバー王国でも有名なんですのね…。

「ねぇ、アリスのグレン様の強さはクローバー王国でも有名なんですのね~さすがね。」

「まぁね~、私のグレン様に勝てる者なんていないわよ!こんな時は遠慮なく名前出して盾にしていいよって言ってくれたのよ。姿も素敵だけど、中身はもっと素敵なの~」

「お互い想いが通じてよかったわよね、私のエメル様も素敵ですの~。アリスに振られてもいいから、勇気出して告白しなさい!って背中押してもらって、そのおかげで…今凄く幸せなの~ありがとうアリス、私…振られちゃうかもって思ってたから、…今も夢みたいで…」

「いや、レティが振られるとかナイナイ!絶対夢じゃないから安心してよ。それに…(あの手のジミ面はこっちから押さなきゃダメだしね。)まぁ兎に角、仲良くしてるみたいで安心したわよ。今度エメル様と私たちのタウンハウスにお茶しにきてよ!ストロングラム公爵家専用のタウンハウスだから私たちと使用人しかいないの、だから遠慮はいらないわよ、なんなら泊まって行って~部屋はたくさんあるから~」

「ええ、エメル様にお願いしてみる~」

キャッキャ、うふふと2人の美少女が語らう姿に渇望する眼差しを向ける1人の男の視線の先を嫉妬に満ちた眼差しを向ける女がいた。

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